招聘教員による特別講義「アメリカにおける宗教・統治・国際情勢」

コース名:「アメリカにおける宗教・統治・国際情勢」
招聘講師:マーク・J・ローゼル教授(ジョージメイソン大学国際政治学科、米国)
実施期間:2015年6月15〜26日

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「米国の政治制度や統治機構を本質的に理解するためには、宗教の果たす役割に理解を示し、学ぶ必要がある」マーク・J・ローゼル

政治や公共事業、日常生活に至るまで、アメリカ社会における宗教の影響力がどれほど強いかは、日本に住んでいては想像し難いものがあります。しかし、アメリカの歴史を紐解くと、宗教は国民の政治参加を促す上で重要な役割を果たしており、「政教分離」は難しいという事実があります。そのため、こうした問題は非常に興味深いものであると同時に、デリケートで物議を醸すこともあるため、米国以外の国では体系的に学ぶ機会がほとんどありません。AIUグローバル人材育成推進事業の海外招聘講義プログラムの一つとして開講された本講義には、ジョージメイソン大学国際政治学科(米国)で学部長を務め、公共政策をご専門とするマーク・J・ローゼル教授を講師にお迎えし、「アメリカにおける宗教・統治・国際情勢」と題した特別講義(6月15〜26日)を開講しました。ローゼル先生はこれまで9冊の書籍を執筆されたほか、米国政府や政策、大統領、宗教と政治、メディアと政治、選挙における利益団体、というような多岐に渡るテーマについて20冊に及ぶ書物の編集を手がけました。また、米国政府に対して政策や行政部の権力問題に関する助言を幾度となく行い、米国やアジア、中東、そしてヨーロッパで教鞭を執られたりと、多岐に渡って活躍されています。

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本講義は、選挙、政策、ロビー活動といった米国内の政治や動向の多種多様な側面に、宗教が与える影響について触れました。中でも、「アメリカにおける宗教と政治の展望と変遷」「宗教構造」「宗教団体の政治行動と政治参加」「宗教上の権利」「議会、司法、そして宗教的自由の保護」といったテーマを取り扱いました。学生の理解を助けるため、反奴隷活動、市民権運動、近年の中絶反対運動、オバマ政権の政治的方向性というような市民や政府の活動例を分析しました。

学生達は、講義の内容の濃さに圧倒された観があったものの、この講義から得たものは大きく、「今までの特別講義の中で一番良かった」「教え方がとてもはっきりしていた」「事実と概念がしっかりと繋がっておりバランスが良かった」といった感想を述べていました。また、「ローゼル先生は、学生が先生の見解に賛同しているか否かに関係なく、意見を尊重してくれた。」と語る学生もいました。授業を進める際のローゼル先生の気配りは、学生が授業内容を理解するための配慮であり、「講義では、ステレオタイプや偏見のない、中立的な立場で宗教や政治について考えることができたので、感情論で嫌な気分になるということもなく授業に取り組むことができた」というコメントもありました。

先入観の無い視点から物事を見ることは、批判的思考を養う上で重要です。今回の特別講義は、学生にとってそのようなリベラルアーツ教育が志す視点で物事を考える良いきっかけになったと感じています。

ジョージメイソン大学のHPに掲載された記事も併せてご覧ください。

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