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本学学生が日本大学生訪韓団に参加 ~櫻井 彩乃さん~

外務省による「対日理解促進交流プログラム(JENESYS2018)」の一環として、公益財団法人日韓文化交流基金が主催・派遣した、日本大学生訪韓団(訪韓団第1団)に本学学生である櫻井 彩乃さんが参加しました。
このプログラムは、他大学も含む日本の大学生等40名が3月5日から14日の日程で韓国を訪問し、大学訪問、ホームステイ、韓国文化体験などを通して韓国の文化・社会に対する理解を深めるとともに、交流を通じ日本の魅力の発信を行うものです。
※これまでの参加学生の記事は、こちらをご覧ください。

参加した櫻井さんに、帰国後、話を聞きました。

参加しようと思ったきっかけは何ですか?

韓国に興味を持ったきっかけは、月並みですが小学校4年生の時に観た韓国ドラマです。日本のドラマとは異なり展開が早く、非現実的な設定も多い韓国ドラマに魅せられ、大学入学まで数えきれない本数を視聴しました。高校時代には遅ればせながら第3次韓流ブームに乗ってK-POPにも興味を持ち、韓国の文化が日本の文化以上に自分の中で身近なものになりつつありました。
また、国際教養大学に入学してから複数の授業の中で日韓の政治や文化の比較をする機会があり(具体的には英語教育、国籍問題、外国人労働者の受け入れなど)、日韓の切っても切れない関係を実感する一方、普段チェックしているニュースなどでは知り得なかった双方の意外な違いを知り、ますます韓国という国に興味が湧きました。
そんな私にとってホームステイや現地大学生との交流が盛り込まれ、「顔の見える交流」をテーマに行われた訪韓団は、まさに、うってつけのプログラムでした。今までメディアを通して勝手に自分の中で作り上げてきた「韓国」「韓国人」像を変えられる良い機会だと思いました。韓国について深い知識のない私ですが、少しでも興味のあることには挑戦してみた方が良いという友人からのアドバイスもあり、応募を決意しました。

特に印象に残ったことはありますか?

新聞を読むのが日課である私は、実家で購読していた新聞が保守系の新聞ということもあり、政治的な問題となると韓国の芸能人に抱く憧れとは真逆で、韓国という国、そして顔の見えない韓国の一般市民に対して、マイナスのイメージをずっと抱いていました。そんな中、YouTubeで偶然発見した「韓国の一般市民に日本のイメージを尋ねる」という動画を観て、韓国人は政治的には日本に対して厳しい意見を持ちながらも、日韓問題と日本人を切り離して見ていることが、私にはとても新鮮でした。そう思うのは私だけではなく、共に渡韓した団員たちも同様のようで、韓国の人々は独自の教育で培われた確固たる歴史観や政治的意見を持ちながらも、日本という国・人・文化そのものに対しては敬意を払う、ポジティブなイメージと成熟した考え方持っている人が多いと感じていました。

「第4トンネル」をトロッコに乗って見学した様子

訪韓団の交流活動を通じて感じたこと、伝えたいことがあれば教えてください。

今回が初渡韓であった私は、韓国という国についてメディアを通した情報しか知りませんでした。そして、韓国は地理や文化を総合して考慮した上で「日本と最も似ている国」という自分の勝手な認識がありました。しかし、10日間足らずの滞在にもかかわらず、報道されている韓国はほんの一面にすぎないこと、そして日本と韓国は全く異なる2つの国だと実感しました。

韓信大学で韓国人学生とのディスカッションの様子

今回の訪韓団全体を通して、まず、ホームステイや韓国人学生との交流では「韓国人」ではなく一個人として向き合い、コミュニケーションを取ることができたことにとても満足しています。「顔の見える交流」というワードを何度も聞いた今回の訪韓団でしたが、その重要性を実感しました。今まで報道など人から聞いた話のみで形成されていた、私の中の「韓国」や「韓国人」のイメージが、今回出会った人々との様々な体験によって良い意味で崩れ、自分なりの見方が生まれたのではないかと思います。
現在の日韓関係における、冷え込んだ政府間の関係と活発な民間レベルでの交流の対比を表す「官冷民熱」という単語を、訪韓前に団長に紹介してもらいました。メディアでは「官冷」に焦点が当ることの方が圧倒的に多いのですが、日本国内では第3次韓流ブームの波に乗って韓国文化に興味を持つ若者が増えています。しかし、韓国文化に興味を持たない人は、メディアで報道される「官冷」の方にどうしても目が行き、韓国に対して良くないイメージを抱いてしまうのではないでしょうか。それを防ぐためにも、日韓の市民レベルでの交流をより活発化させ、それを発信する(「民熱」の方により注目を集める)努力が必要です。訪韓団に参加し、自分の目で韓国という「国」を見て、韓国の「人」と交流した私にはその体験を伝える義務があると感じました。そして、体験を伝えることによって私も「民熱」をさらに盛り上げる一員になりたいと思います。

ホームステイ先の家族と一緒に春川名物タッカルビを楽しむ様子