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【特別講演会】2021年度第3回「タリバン、イスラム、女性の人権:人権概念の普遍的再考」(イスラム思想研究者 飯山陽氏)

国際教養大学では、学生・教職員を対象として、「ポスト新型コロナウイルスを見据え、今、考えるべきこと、そしてこれからの社会のあり方」を共通テーマとして、各界を代表する国内外の有識者によるオンライン講演会をシリーズで開催しています。本講演会を通して、新型コロナウイルスが人類にもたらしている影響を多面的に理解し、今後のグローバル社会のあり方を考えることが目的です。

シリーズ2年目となる2021年度の第3回として、11月17日(水)、イスラム思想研究者の飯山 陽氏をお迎えし、「タリバン、イスラム、女性の人権:人権概念の普遍的再考」というテーマでご講演いただきました。

Zoom上でスライドについて説明する飯山氏のスクリーンショット

イスラム教における神、預言者ムハンマド、コーランについて解説する飯山氏(右上)

飯山先生は、イスラム教徒の関わる世界の諸現象を分析し、メディアやSNSで発信されている研究者です。イスラム教に関する著作も出されているほか、ニューズウィーク日本版や産経新聞などで記事も連載されています。

講演会では、タリバンとアフガニスタンに焦点を当て、昨今の情勢やイスラム法における女性の人権について、様々な報道事例を交えながら解説いただきました。

イスラム教の法である経典コーランについて、その解釈は様々であり、タリバン政権のような過激派がいる一方で、それを支持しないイスラム教徒もいること、そして、タリバン政権における女性の役割・人権に関連して、人間の理性をもとに考える近代的価値観と、イスラム法をもとに考えるイスラム的価値観には、正しさの基準自体に差異があることを強調した飯山先生から、学生に対しては

アフガニスタンが抱えるような紛争、テロ、貧困といった問題には、根本的な価値観の違いをはじめとした様々な要因が複雑に絡み合っており、簡単に解決策を見出せるものではないが、それを理解しようとする努力、自分にできることを探す努力は止めてはいけない。

とのメッセージをいただきました。

質問した学生と質問に答える飯山氏の画像

質疑応答の様子

質疑応答では、タリバン政権の外交政策や今後の変容の可能性について、神と預言者ムハンマド、イスラム法のつながりについてなど、学生から数多くの質問が寄せられ、本テーマに対する関心の高さがうかがえました。

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