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秋田県内高校生の地域課題解決をサポート ~FROM PROJECT 秋田~

国際教養大学には全国各地から学生が集まっています。FROM PROJECT 秋田(ふろぷろ秋田)は、秋田県外出身を含む有志の学生たちが、秋田県内の高校生が実現したいこと(プロジェクト)をサポートする学生団体です。

FROM PROJECT 秋田(以下、記事中はふろぷろ秋田)の代表を務める檜垣 和香名さん(2年次)と広報を担当する福原 義信さん(2年次)に、お話を伺いました。

「プロジェクト支援」というアプローチで高校生をサポート

ふろぷろ秋田では、高校生が秋田や地域に対して「こうしたい」「こうだったらいいのに」といった気づきや気持ちを出発点として、地域課題解決のためのプロジェクトを決定し、実行する、高校生の皆さんが一歩踏み出すための場です。大学生は「プロジェクト支援」という形で高校生たちの「やりたい!」をサポートしています。

高校生が活動する期間は約半年にわたります。はじめに大学生が提供する講座を定期的に受講し、高校生自身が地域課題解決のためのプロジェクトを構築し、実行していきます。また、高校生はプロジェクトの成果報告として、中間報告会と最終報告会でプロジェクトの内容を発表します。過去には「大曲の花火」に関する講演会の開催、フードバンクの実施、地域を宣伝するパンフレット作成、なまはげ文化の衰退を止めるための認定試験の立ち上げなど、様々なプロジェクトが行われました。

大学生のメンバーは高校生のプロジェクトを支援するため、高校生向けの講座を企画・開催し、高校生へのメンタリング(1対1で相談や打ち合わせ)を行います。プロジェクトを実行するのはあくまでも高校生であり、大学生は高校生が自身で地域課題解決のためのプロジェクトを進めていけるようサポートする役目です。

大学生と高校生が机を囲んで話す様子
講座を企画した大学生も参加してのディスカッションの様子 (写真提供:FROM PROJECT 秋田)

高校生へ教えること・高校生から学ぶこと

プロジェクトが思うようにいかなかったとき、どうやってその経験を「成功体験」として次に繋げてもらうか悩みました。高校生との対話を増やし、高校生自身が変化した部分に気づいてもらうことやプロジェクトの意味を振り返ってもらうことで、失敗から何を学んだかを意識してもらうようにアプローチしました。高校生には「最終的にプロジェクトが思いどおりにいかなくても、プロジェクトを進めてきた過程で学んだことはたくさんある。プロジェクトに挑戦したこと自体に意味があり、今回の経験を通して何を学んだかが大切だよ」と伝えました。

また、プロジェクトを進めるなかで想定外のことが起き、プロジェクトが頓挫することは珍しいことではありません。そんな事態でもすぐに代替案を考えられる高校生の発想力と行動力には驚きました。また、高校生たちは秋田を大切に思う気持ちが非常に強いです。高校生をサポートするなかで、「秋田や地域をより良くしたい」という真剣な姿勢に感銘を受けました。

高校生が講座を受講している様子
学外施設での講座の様子 (写真提供:FROM PROJECT 秋田)

高校生のサポートを通して学ぶ

ふろぷろ秋田の活動では、高校生とプロジェクトの方針について話し合い、運営側の大学生同士で講座の進め方を意見交換するなど、密度の高い議論をする機会が多いです。高校生向けの講座内容を議論するためのディスカッションでは、どうしたら高校生に私たちの意図を上手く伝えられるか、高校生におもしろいと思ってもらえるかを考えることで、思考力、表現力が身につきました。また、高校生たちがプロジェクトの進捗や結果を発表する報告会を手配する過程で、スケジュール管理能力や創造力も身についたと思います。高校生参加者の募集からプロジェクトのサポートまで、外部の方々と関わることが多く、失礼のないようにやり取りをするための礼儀やマナーも日々勉強になっています。
高校生と大学生という比較的年齢が近い関係だからこそ、年齢は近いけれど少しだけ経験値のある先輩のような近い存在として高校生をサポートしています。高校生自身が考えた「やりたいこと」を自由にできるように、たとえつまづいてもそれが学びにつながるように、二人三脚で地域課題の解決や社会貢献を目指しています。

ホールで高校生が自身のプロジェクトを発表している様子
最終報告会での高校生のプレゼンテーション (写真提供:FROM PROJECT 秋田)

大学生だからこそ、県外出身者だからこそできるサポート

ふろぷろ秋田は、高校生との関わりを通して秋田県の地方創生や地域課題の解決を考える団体です。といっても実は、ふろぷろ秋田を運営する大学生のメンバーの多くは県外出身者です。秋田の地域課題の解決を目指すために県外出身者は不利と思われるかもしれませんが、私たちは県外出身者だからこそのメリットもあると考えています。日本各地の様々な地域から集まった様々なバックグラウンドを持つ大学生たちが、これまで得てきた経験や考え方を秋田県の高校生たちのプロジェクトに共有することで、県外出身者から見た意見や県外からの知識を秋田に還元しています。秋田県内の高校生と県外出身の大学生が組むことで良いコントラストが生まれ、多角的な視点でプロジェクトを進められているのではないかなと思います。県外出身者である私たちも高校生から秋田や地域について教えてもらうことがたくさんあり、大変勉強になっています。

FROM PROJECT 秋田第11期の高校生と大学生の集合写真
第11期(2022年度)最終報告会の集合写真 (写真提供:FROM PROJECT 秋田)

高校生の皆さんへ

ふろぷろ秋田では自己分析やプレゼンテーション、仲間たちと地域課題についての議論など、学校では学ぶことができない特別な経験ができる場所を提供しています。ぜひふろぷろ秋田で新しいことに挑戦してください!

FROM PROJECT 秋田第12期参加者募集のお知らせ

ふろぷろ秋田第12期の講座開始に向けて、参加高校生の募集が始まっています。
ふろぷろ秋田では5月の終わりから約半年間、15回の講座や報告会を通して自分のやりたいことと社会貢献を合わせた「プロジェクト」を企画・実行します。
「何かやってみたいけど、どうすればいいか分からない」「秋田のためになることがしたい」、そんな秋田の高校生の皆さんをお待ちしています。

参加したい方はウェブサイトから応募をお願いします。応募締切は5月21日(日)です。

また、ふろぷろ秋田では運営の大学生も募集しています。教育や地方創生に興味がある方、計画性や思考力を磨きたい方、どんな方でも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

FROM PROJECT 秋田 メンバー募集のポスター

お問い合わせ先

FROM PROJECT 秋田(ふろぷろ秋田)
E-mail:froproakita@gl.aiu.ac.jp
ウェブサイト:https://www.froproakita.com/
Instagram https://www.instagram.com/froproakita/
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国際教養大学 企画課広報チーム
TEL:018-886-5932
E-mail:info@aiu.ac.jp
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