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私の留学レポート:オーストリア・ヨアネウム大学~吉田沙椰さん(2)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、オーストリアに留学中の吉田沙椰さんのレポート第2弾をご紹介します。

理論や概念を実践的に応用する授業
留学中に受講した授業の中で、特に印象に残っているのは「Cross Cultural Communication(異文化コミュニケーション)」、「International Consumer Behaviour(国際消費者行動)」、そして「Motivation and Creative Teams(モチベーションと創造的なチーム作り)」の三つです。
一つ目の「Cross Cultural Communication」は、留学先で初めて受講した授業であり、さまざまな国籍の学生と共に、文化とは何かという根本的な問いから始まり、「社会心理学者ホフステードの文化的価値観モデル」や「カルチャーショックへの対処法」、「異文化への適応」といったテーマについて学びました。講義では各国の事例が豊富に紹介され、授業中のディスカッションやグループプレゼンテーションを通じて、多様な文化的背景を持つ学生と意見交換ができたことが非常に刺激的で、交換留学をスタートしたばかりの私にとって、多くのクラスメイトと関わることができた良い機会となりました。
二つ目の「International Consumer Behaviour」は、同じ教授が担当した2学期が始まって最初の授業でした。この授業では文化の違いが消費者行動にどのように影響するかを議論し、企業が地域ごとにどのようにマーケティング戦略を考えるべきかを深掘りしました。一つ目の授業で学んだ理論や概念を、この授業で実践的に応用することができた点がとても興味深かったです。
もう一つ印象に残っているのが「Motivation and Creative Teams」という授業です。この授業はグループワークが中心で、新たなサステナブルビジネスモデルの企画・提案を行いました。授業の冒頭では、「Belbin Team Rolesの診断(ベルビンのチーム内での役割診断テスト)」を行い、それぞれの学生がチーム内でどのような役割を得意とするかを可視化し、それをもとに役割分担をしました。また、スナック菓子を使ってグループごとに高い建造物を作るゲームなど、アクティブラーニング的な要素も多く、楽しみながらチームビルディングや戦略思考を学ぶことができました。さらに、グループでのプロジェクトを通じて「サステナブルである」とは単に環境に優しい商品を作るだけでなく、その生産プロセスやビジネスモデル全体が持続可能である必要がある、という視点を得られたのも大きな学びでした。多国籍のメンバーとともに議論を重ねながら一つのアイデアを形にしていく経験は、将来のキャリアにもつながる貴重なものになりました。

現地学生との交流がもたらした学び
留学を通して最も良かったと感じていることは、多くの人と出会い、交流できたことです。日本人がほとんどいない環境の中で、現地の学生やクラスメイトが日々声をかけ、助けてくれたおかげで人とのつながりの大切さを実感しました。そうした経験から、日本に来る留学生にもっと優しく接したいという気持ちが芽生えました。また、他国の学生と関わる中で日本について尋ねられる機会も多くあり、自分の文化を見つめ直す良いきっかけにもなりました。
苦労したことは、1学期目に仲良くなった友人の多くが私より短い留学期間だったため、彼らが先に帰国した後に孤独を感じる時期があったことです。しかし、2学期目にAIUの同期の友人が現地に来たことで、再び外に出る機会が増え、気持ちを前向きに切り替えることができました。また、ほとんどの授業でディスカッションやプレゼンテーションが課され、最初は英語での発言に自信がありませんでしたが、徐々に積極的に話せるようになり、自己成長を実感しました。
授業外では、現地学生と文化交流を行う「Tandem Program」に参加しました。最初はプログラム内の課題に沿って活動していましたが、途中からは形式にとらわれず交流し、互いの言語や文化について話す機会を持ちました。現地の学生と関わる貴重な経験となり、多様な価値観を知ることができました。また、「International Fair」では、日本の文化や大学について紹介するブースを担当しました。浴衣や日本のお菓子、ポストカードを用意し、多くの現地学生と交流できたことが印象に残っています。

ヨーロッパ各地を巡る休暇
冬休みはヨーロッパ各地を旅行し、他国に留学していたAIUの友人たちと合流し、いくつもの国を巡りました。各地のクリスマスマーケットを訪れ、地域ごとの雰囲気や文化の違いを楽しむことができました。
春休みには、ルームメイトのご家族と一緒にピクニックやランチをする機会があり、家庭的な交流を通じてより深い異文化理解につながりました。また、クラスメイトと日帰りで訪れた「世界一美しい湖畔の町」と称されるオーストリアのハルシュタットでは、多くの観光客を目の当たりにし、オーバーツーリズムについても考える機会になりました。

国際センターから一言
留学前、本学の授業の中で英語でプレゼンテーションする機会はあるものの、日本人がほぼいない海外の大学の授業の中で積極的に英語で話せるようになったことは、大きな自信につながったのではないでしょうか。1学期目の終わりに感じた孤独を乗り越え、多様なバックグラウンドを持つ人々との交流を持ち、留学先の人々の優しさに気づくことができたのは、大きな収穫でしたね。留学先での気づきを、帰国後に吉田さん流の方法でアウトプットする場面が、これからきっと生まれてくるのではないかと想像しています。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。