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私の留学レポート:イタリア・トリノ大学~山県裕一さん(3)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。


今回は、イタリアに留学中の山県裕一さんのレポート最終回をご紹介します。

山県裕一さん
山県裕一さん

現地でしか味わえない体験

イタリア生活の中で特に印象に残っていることが2つあります。
1つはアルバの白トリュフ祭りです。留学前から憧れていたお祭りで、会場に一歩足を踏み入れた瞬間、濃厚なトリュフの香りに包まれ、その圧倒的な存在感に驚かされました。ずらりと並ぶ最高級の白トリュフの他にも、黒トリュフやさまざまなトリュフを使用した品々が並んでいました。また、イタリア各地から集まった有名シェフによるクッキングショーもあり、調理風景を間近で見ることができました。会場はもちろんのこと、町全体が活気に溢れていて、とても賑やかな空間でした。
2つ目は、トリノにあるユヴェントスFCのホームスタジアムであるアリアンツ・スタジアムで観戦したユヴェントス対ナポリのサッカーの試合です。もともとサッカーに強い関心があったわけではないのですが、「せっかく近くにスタジアムがあるのに見ずに帰るのはもったいない」という思いで足を運びました。前年王者のナポリを相手に3対0で勝利した試合展開はもちろん、サポーターによる応援歌、プレーや判定に対しての周りのリアクションなど、スタジアムが一体となる迫力は、現地でしか味わえない貴重な体験となりました。観戦してからはすっかりユヴェントスのとりこになり、試合やニュースなどをチェックするようになりました。

留学前から憧れていた「アルバの白トリュフ祭り」

ユヴェントスFCのホームスタジアム「アリアンツ・スタジアム(Allianz Stadium)」でサッカー観戦
ユヴェントスFCのホームスタジアム「アリアンツ・スタジアム(Allianz Stadium)」でサッカー観戦

不自由さを力に変える

留学生活を通じて得たものは、未知の環境に対するチャレンジ精神と、予期せぬ事態への対応力です。元々比較的フットワークの軽い性格ではありましたが、留学を通じてより自分の知らない世界に率先して飛び込めるようになり、ハプニングが起きた際にも柔軟に対応する姿勢が身につきました。
また、日本で生活している中で当たり前だと思っていたこと、例えば、電車が時間通りに来ることや、丁寧なサービスについて考えるきっかけになりました。これまで享受してきた日本のシステムの素晴らしさを再認識するとともに、日本の高い水準に慣れすぎていたせいで、無意識に自分の中の「当たり前」の基準を上げ、不自由さに対する耐性が低くなっていたと感じました。そして、そういった物事への有り難みも欠けていたと気づかされました。
加えて、内面的な変化として「日本人として留学している意味」についても深く考えさせられました。留学当初は現地の文化に溶け込もうと必死でしたが、次第に「現地の人になりきるだけなら、自分でなくてもいいのではないか」と感じるようになりました。現地の文化や価値観を理解しつつも、自分のバックグラウンドを大切にし、相手を尊重しながらも「なりきりすぎない」ことの重要性に気づけたことは、とても良い学びになったと思います。

世界を歩き、日本を届ける新たな思い

この留学を経て、将来は日本のものを世界へ届ける仕事に携わりたいという思いが強くなりました。かつては漠然と「国際的な環境で働きたい」と考えていましたが、現在は更に突き詰めて、日本の技術や考え方を一方的に押しつけるのではなく、現地の文化や価値観と融合させ、その土地に根差したものづくりや、価値創造に関わりたいと考えています。社会に出てからも、国内外を問わずさまざまな場所へ足を運び、多様な価値観に触れ続けたいと思います。
またこれまでお世話になった方々やコミュニティに、何かしらの形で恩返しができればと思っています。町で困っている海外の方を積極的にサポートするといった小さなことでも、自分自身がしてもらったように他の人に還元できればと思います。

秋田と世界、二つの環境が「可能性」を広げる

秋田、そして海外での生活を経て、私は「比較的どんな環境でも生きていける」という自信を得ることができました。都心の大学に進学し、慣れ親しんだ環境で過ごすという道もありましたが、AIUを選んでよかったと心から思っています。また、同じようにずっと都市部で生活してきた人にこそ、秋田と世界という二つの異なる環境に身を置くことのできるAIUの門を叩いてほしいです。異なる環境に適応する力、チャレンジ精神、コミュニケーション能力など、今の世の中に必要とされる力が身につくと思いますし、どこに行っても求められる人材になれると思います。AIUでの経験は、皆さんの可能性を大きく広げてくれるはずです。

最後になりますが、ここまで全3回に渡るレポートを読んでいただきありがとうございました。

国際センターから一言

今までの自分は興味のなかったジャンルにも勇気をもって飛び込むことは、単にイベントを楽しむだけではなく、新しい自分と出会える未来への扉を開くことにもなったのですね。相手を知ることによって自分自身の存在価値を改めて考えることができたこと、そして関わった多くの人々と自分が生まれ育った環境への感謝の気持ちに気づけた経験を、将来の目標実現へ力強く踏み出すためのエネルギーにしてください!

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。