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私の留学レポート:アメリカ・ディキンソンカレッジ~高橋慶さん(3)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、アメリカに留学中の高橋慶さんのレポート最終回をご紹介します。

こんにちは!グローバル・コネクティビティ領域の高橋慶です。今回のレポートでは、秋学期から留学終了にかけての私の体験をお伝えします!
アメリカならではの寮生活
留学中で最も印象に残っているのは、寮生活です。AIUと同様に、留学生を含めたほとんどの学生がキャンパス内で生活していたため、学生同士の交流が非常に活発でした。毎日カフェテリアで友達とご飯を食べたり、ルームメイトや友人とアメリカンフットボールをしたり、週末には他の留学生と食事に出かけたり、図書館で一緒に勉強したりと、日常のあらゆる場面に人とのつながりがありました。雪が降って授業が休講になった日には、皆で外に出て雪合戦をしたことも忘れられません。
また、アメリカならではのイベントとして、サンクスギビング休暇では、オハイオ州を訪れ、一週間弱のホームステイを経験しました。現地の家庭でターキーやその他の家庭料理を囲みながら、家族が集まる様子を間近で見ることができました。教科書で学ぶだけでは分からない、アメリカの「家族」や「コミュニティ」の価値観に触れる貴重な機会となりました。


完璧さより共有、対話で得た確かな成長
留学を通して最も成長を実感したのは、英語力とコミュニケーションの姿勢です。渡航当初は、自分の意見を共有することに自信が無く、ネイティブのスピードで進んでいく授業の理解度への不安も大きかったです。しかし、ディスカッション中心の授業で他の学生が積極的に発言している姿に刺激を受け、「完璧に話すこと」よりも「まず考えを共有すること」が大切なのだと次第に考え方が変わっていきました。授業内で繰り返し発言する中で、少しずつ自分の言葉で即座に意見を伝える力が身につき、議論そのものを楽しめるようになりました。それに伴い、自分の英語力への過度な不安も薄れ、友人との日常会話でも自然と会話のテンポに慣れていきました。
コミュニケーションの姿勢の面でも変化がありました。文化や言語が異なる相手に対して、分からないことを素直に尋ねたり、自分の理解を確認したりすることに抵抗がなくなりました。相手を理解しようとする姿勢こそが、言語以上に大切であると学びました。また、留学初期は会話が途中で途切れて気まずい沈黙が訪れると、「まだ自分の英語力が低いんだ」と半ばあきらめ、心の中で英語力を会話が続かない言い訳にしていました。しかし、一日中キャンパス内で誰かと一緒に時間を過ごし、毎日英語にたくさん触れ、コミュニケーションの場数を踏むにつれて、会話が続かない理由は語学力だけではないと気づきました。質問の仕方や話題の広げ方、自分から積極的に関わろうとする姿勢といった、意識や心遣いの部分が大きく影響していることを学びました。
さらに、勉強そのものに対する姿勢も変わりました。留学という貴重な機会を無駄にしたくないという思いから授業に真剣に向き合い続けていると、内容をより理解できるようになっていき、それに比例して学ぶことへの面白さも増していきました。少人数のクラスで、周りの学生も教授も協力的な環境だったことや、授業についていくために必死に勉強したこともあり、大変ではありましたが得るものも多かったです。各授業でだんだん自分の発言回数が増えていったり、自分の質問をきっかけに議論が広がったりした瞬間は、特に自分の成長を感じられました。
一方で、課題として残ったこともあります。ネイティブ同士の会話のスピードについていけない場面や、自分の意見をより論理的に、説得力を持って伝えきれなかったと感じた時もありました。また、内容を十分に理解できていないにもかかわらず、分かったふりをしてしまったことや、タイムマネジメントがうまくできず準備が不十分なまま授業に臨み、理解が浅くなってしまったこともありました。しっかり事前に準備しておけば授業内で理解できたはずだと、今思うと悔しいです。
こうした成功と反省の両方の経験が、今回の留学を単なる語学向上の機会ではなく、自分自身と向き合い見つめ直す時間にしてくれたと感じています。


日常の中でより身近な言語表現に触れる
留学先で語学の授業は取りませんでしたが、他国からの留学生との交流を通して、スペイン語は、AIUの授業で学んだときよりもカジュアルな表現を学ぶことができました。また、留学生のコミュニティが多国籍だったため、イタリア語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語など他の言語にも同時に触れることができました。
授業として体系的に学んだわけではありませんが、実践的な交流を通して、以前にも増して他言語をより身近に感じられるようになり、今後さらに学びを深めていきたいという意欲につながりました。
留学の経験が大きな出発点に
私がAIUへの入学を決めた大きな理由の一つは、「留学」でした。英語を伸ばしたかったこともありましたが、海外で学び、多様な価値観に触れ、自分の知らない環境に一年間飛び出して人として大きく成長したかったからです。そして実際に留学を経験した今、その目標の一つを無事終えられた達成感と同時に、「これがゴールではない」という強い思いも感じています。
今回の留学を通して、私は「挑戦すること」そのものの価値を実感しました。渡航前は、不安をなくしてから一歩踏み出そうと考えていましたが、不安があっても行動することでしか得られない学びや出会いがあることを知りました。留学は私にとって大きな経験でしたが、それ自体がゴールではなく、これからの行動につなげていくための出発点だと感じています。
今後は、自分の伝えたいことをニュアンスまで含めて適切に伝えられるよう英語力をさらに向上させ、他の言語の学習にも力を入れてもっとたくさんの人々とコミュニケーションを取れるようになりたいです。また、これまでは周囲に支えられることが多い立場でしたが、今後は自分が誰かを支える側にもなりたいと思っています。留学中、International Arrival Leaderとして新しく来た留学生をサポートした経験は、その第一歩でした。将来的には、異なる背景を持つ人同士をつなぐ存在になれるよう、語学力とコミュニケーション力の両方を磨いていきたいです。
AIU入学のきっかけであった留学を終えた今、留学で得た気づきや学びを一時的な思い出にするのではなく、これからの学びや挑戦に生かし続けていくことが、今の私の目標です。
後輩たちへのメッセージ
これから留学を控えているAIU生の皆さん、そしてAIUへの入学を考えている高校生の皆さんには、前述したことに付け加え、留学での「出会い」を楽しみ大切にしてほしいと思います。留学生活で最も心に残っているのは、日々の何気ない会話や友人との時間でした。不安なときや大変なときも留学先のたくさんの人に支えられて無事にやりきることができました。そこでできた人とのつながりは留学で得たかけがえのないものだと思っています。言語や文化が違っても、相手を理解しようとする姿勢があれば、必ず人とつながることができます。
AIUへの入学も、留学も、人生の一つの通過点にすぎません。その経験をどう生かすかは、自分次第です。私自身も自分はどうなりたいのか問い続けながら挑戦を重ねていきたいと思っています。皆さんの挑戦を応援しています。
国際センターから一言
憧れだった留学での体験を通じて、「完璧な準備ができていなくても大丈夫」「勇気をもって挑戦することが大切」ということを学んだ高橋さん。後輩や高校生に向けて、その思いがよく伝わったと思います。留学先で、多くのことに前向きに挑戦し、学業面のみならず、人間性としても大きな学びや成長があったことが、3回のレポートの端々から伝わってきました。留学で達した高台から、さらなる高みを目指して進む高橋さんを応援しています。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。