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私の留学レポート:モロッコ・アル・アハワイン大学~浅井千代さん(3)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、モロッコに留学中の浅井千代さんのレポート最終回をご紹介します。

モロッコで出会う人々の温かさ
第1回で紹介したイスラム教ならではのラマダン期間はもちろんですが、モロッコでは日常生活や旅で出会う人々の温かさそのものが、最も印象に残っています。例えば、マラケシュへ一人旅をした際、そこで出会った食器売りのおじさんたちと仲良くなり、ミントティーをご馳走になったかと思えば、そのまま代わりに店番を任されるようなこともありました(笑)。道で誰かに助けてもらう経験はどこでもあると思いますが、旅先や散歩中に出会った現地の方に食事をご馳走してもらったり、家族団らんの輪に入れてもらったりする経験は、モロッコ以外ではなかなかできないものなのではないかと感じました。


積極的に現地の言葉で
留学中はフランス語に加え、標準アラビア語(フスハー)やモロッコ方言(ダリジャ)にも独学で挑戦しました。その結果、留学期間の後半には英語がほとんど通じない地域でも一人で旅行できるまで上達しました。大学内では主に英語で生活していましたが、友人との会話や学外での交流では積極的に現地の言語を使い、実践的に学ぶことができました。完璧ではありませんが、現地の言葉を使うことで人との距離が縮まり、「少しダリジャが話せる珍しいアジア人」として温かく受け入れてもらえたことがうれしかったです。

自分の弱さを乗り越え財産に
人種や文化の違いに悩む経験もありました。差別の問題や、文化の違いに悩まされる日々の中で、次第に自分自身も「この人は信用していいんだろうか」と疑心暗鬼になってしまったり、周りの環境を人種や文化が違うからと一括りにして遠ざけてしまった時期がありました。本来大切にしていた「何でも挑戦してみる」「理解を諦めない」という軸が崩れ拒絶意識が生まれてしまったのです。それを事前にうまく解消できなかった自分の弱さは大きな課題として残りました。しかし20代前半でこれらを経験し、それを乗り越えたことで、価値観の幅が広がった事は自分の中で大きな成長であり財産だと感じています。
「違い」を尊重する姿勢こそが、国際理解に繋がる
留学を経て「自分だからこそ伝えられることは何か」を考えるようになりました。そして真っ先に思ったのが「価値観の多様性」と「共生」についてです。人種、文化、宗教、性別等、様々な分野において分裂が起き、世界情勢が揺れる昨今ですが、本当の意味での国際理解とは「共感できなくてもお互いを尊重する」ということなのだと学びました。宗教や文化の違いでどう頑張っても完全には理解できない部分が沢山あったとしても、それでいいのです。そこでお互いに否定し合うのではなく「こういう考え方もあるんだ」と尊重し受け入れる姿勢が大切だと感じました。すぐに大きな変化は生み出せなくても、この姿勢を少しずつ広げていくことが今の私の目標です!
後輩たちへ伝えたいこと
本当に「人生は一度きり!」です。楽しいことも辛いことも全部ひっくるめて、今しかできない大事な経験となり、全てが経験値としてあなたのレベルアップに繋がるはずです。今はいろいろな機会に恵まれている世の中なのですから、自分のやりたい事、行ってみたい場所、挑戦したい事に、妥協せず自分を信じて全力で挑戦してみてください!応援しています!
国際センターから一言
日本との違いや、女性のアジア人に向けられる好奇な視線等を経験され、時には悩みながらも、全3回のレポートすべてでモロッコの方々の温かさを伝えてきた浅井さん。異文化を尊重し、周りの方々への感謝の気持ちを持ち続けられたことは、最初から浅井さんが持っていた誠実さによるものだと思います。留学先で得たかけがえのない経験が、今後の浅井さんの歩みをよりいっそう輝かせてくれることを心より願っております。