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私のオススメ授業紹介:地域共創のための社会デザイン(渡部満絢さん)

国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨くことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。今回は渡部満絢さんのオススメ授業第1弾をご紹介します。

みなさんこんにちは!渡部満絢です。2022年春に入学し、グローバル・スタディズ領域を専攻しています。今回は印象に残っている授業の一つ、「地域共創のための社会デザイン」を紹介します!

科目情報

GSS204 GS 特別講義 22: 地域共創のための社会デザイン
教員:工藤 尚悟 教授
単位数:2単位

この授業は、2024年度冬学期に開講された5日間の特別講義で、社会デザインについて、理論と実践の両面から学ぶことができます。サステナブル都市計画家としてアメリカのポートランドをはじめ国内外のまちづくりに携わる山崎満広さんをゲスト講師に迎え、実務経験に基づいたお話を聞くことができました。

なぜその科目を選んだのか

私は入学前から都市計画に興味がありました。環境問題に関心があり、都市計画のようにルールメイキングの側からアプローチすることで、効果的な環境問題対策ができると考えていたからです。サステナブルな都市計画について調べる中で、本授業のゲスト講師である山崎満広さんが著書でも取り上げている、ポートランドの都市計画をよく目にしました。そのため、その本を書いたご本人から直接学べる貴重な機会だと思い、迷わずこの授業を履修しました。
また、実は私は山崎さんが主催するサステナブルな都市について学ぶオンラインコミュニティにも参加していました。そのため、先生が来学されると知り、直接お話を伺えることをとても楽しみにしていました。

この授業では都市に限らず、私の出身地でもある秋田という地域に焦点を当て、実際にフィールドワークで地域のプレイヤーの話を聞きながら「社会デザイン」という都市計画より広い切り口から学ぶことができます。座学だけでなく現場に訪れることで、より濃密で楽しい学びの時間になりそうだと思い履修しました。

授業内容

この授業で言うデザインとは、単なる見た目の美しさではなく、人や社会にとって価値のある体験や仕組みを形にすることを指します。さらに扱う「社会デザイン」とは、地域社会や人と人との関係性といった目に見えにくいものを対象に、より良い仕組みやつながりを生み出すアプローチのことです。

講義では、社会デザインの基本的な考え方やプロセスについて学び、山崎さんのキャリアや実際のプロジェクト事例を通して理解を深めました。また、小規模のグループディスカッションを通じて、学生同士で互いに意見を深める機会も豊富にありました。

フィールドワークでは、社会デザインの実践地として秋田県能代市を訪問し、人口減少や高齢化といった社会課題に直面する現場を実際に見ることで、学んだ理論をどう地域で実際に応用できるかをクリティカルに考える機会が設けられていました。

授業を履修した感想

本授業で特に印象に残ったのは、「プランニング」と「デザイン」の違いです。プランニングが目標や枠組みを設定する段階であるのに対し、デザインはそれを具体的で機能的な形に落とし込む役割を担っており、両者の関係性を理解することで、社会デザインの全体像がより明確になりました。
また、人口密度と幸福度の関係についての議論も印象的でした。日本や韓国のように人口密度が高い国が必ずしも幸福度が高いわけではないという点は、これまで漠然と感じていた疑問を言語化してくれるものでした。講義で扱った「ペースレイヤリング」の考え方と結びつけることで、都市生活では、例えばファッションやビジネスといった変化の速い要素に意識が向きやすく、自然や文化といった本質的な価値が見えにくくなっているのではないかと感じました。今後の人口減少社会においては、単に人を増やすことではなく、少ない人数でも豊かに暮らせる社会のあり方を考えることが重要であるという視点も新たな気づきでした。
社会デザインは、環境・経済・社会といった複数の分野にまたがる学際的なテーマであり、講義の中ではSWOT分析など、ビジネスでも用いられる論理的な手法が活用されていた点も印象的でした。
理論と実践を往復しながら学ぶことで、社会デザインをより立体的に理解できる授業だったと感じています。

渡部満絢さん(上段左から2番目)、担当教員の工藤尚悟先生(上段左端)、ゲスト講師の山崎満広先生(上段右端)。能代市役所職員の方や地域おこし協力隊の方など様々なプレイヤーのお話を聞きました。