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日本人社員と技能実習生が共に学ぶコミュニケーション研修

本学では地域貢献の一環として、日本語教育実践領域(JLT)の大学院生が秋田県内企業で働く技能実習生を対象に日本語講習を行っています。このたび、秋田市の加藤建設株式会社と株式会社秋田スズキの2社合同で研修を実施しました。

本企画は、昨年度まで本学に在籍していた早稲田大学大学院日本語教育研究科 嶋ちはる教授が、2024年度から日本人社員と外国人技能実習生を対象としたコミュニケーション研修として実施してきました。今回の研修では、現場で起こりやすいコミュニケーションの課題を取り上げ、円滑な業務遂行や信頼関係の構築につながるコミュニケーションのあり方を考えました。

アイスブレークの様子

研修前半は日本人社員と外国人社員に分かれて行い、前者は「やさしい日本語」をはじめとした異文化間コミュニケーションのワークショップに取り組み、後者は日本語での指示が理解できなかった際の聞き返しや確認の練習を行いました。

聞き返しの表現を練習する技能実習生

後半の合同研修では、それぞれが学んだことを実践する活動を行いました。日本人社員がジェスチャーを交えながら言葉を言い換えて説明したり、外国人社員が聞き取れなかった部分をその場で確認したりするなど、活発なやり取りが見られました。一度ではうまく伝わらない場面もありましたが、実際の現場でも起こり得るやり取りを体験することで、お互いに工夫しながら伝え合うことの大切さを参加者自身が実感できたようです。

研修に参加した日本人社員からは、「これからはわかりやすい説明を意識したい」「外国人社員への日本語のサポートを、先輩ベトナム人社員に頼ってばかりではいけないと痛感した」といった感想が寄せられました。

日本人社員が道具の名称を文字で伝える様子

私自身も、大学院生として今回の研修に携わり、職場におけるコミュニケーションには日本語を正しく使いこなすことだけではなく、うまく伝わらないときにお互いに歩み寄ろうとする姿勢が欠かせないと改めて実感しました。

また、日本語教育を学ぶ立場として、教室で伝えられることには限界があると痛感しました。外国人社員にとって職場は、何気ないやり取りなどから日本語を学ぶ場でもあります。そのため、受け入れ側の日本人社員にもその視点を持ってもらい、日々の関わりの中で活かしてもらうことが大切だと考えています。

こうしたお互いに歩み寄るという姿勢や取り組みが、今回研修に参加した2社にとどまらず、外国人社員を受け入れる様々な職場に広がっていくことを願っています。

執筆:国際教養大学専門職大学院 
グローバル・コミュニケーション実践研究科
日本語教育実践領域 井上紗貴子