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私の留学レポート:チェコ・マサリック大学~佐々木南風さん(1)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。

今回は、チェコに留学中の佐々木南風さんのレポート第1弾をご紹介します。

みなさんこんにちは!東京都出身、2024年春入学の佐々木南風です。グローバル・スタディズ領域に所属しています。私なりの留学体験を皆さんにお届けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

佐々木南風さん

留学中の大学について

現在、私はチェコのマサリック大学に留学しています。この大学は1919年に設立された、歴史のある大学です。特徴の一つは、キャンパスが学部ごとにブルノ市内の複数の場所に配置されているというところです。また、10学部の中から提供される授業が自由に履修でき、私は現在3つの学部から科目を取っています。そのため、曜日によって違うキャンパスへ向かうことが日々のちょっとした楽しみです。また、学部によって建物の作りや教室の雰囲気、教授の教え方、学生の雰囲気などが違うので、様々な経験ができる面白さがあります。

授業では、ヒューマンライツ(人権)について様々な視点から学んでいます。哲学の視点からは人権の根源的な問いを扱い、歴史ではアメリカのCivil Rights Movement をはじめとする歴史的な人権闘争や、現代社会における新たな人権の課題、また人権と環境問題の結びつきといった近年注目されるテーマにも取り組んでいて、様々な視点から多角的に学んでいます。

移動は主にトラムを利用しています。日本に比べると海外は時間にルーズだと感じることが多いと聞きますが、ブルノのトラムは基本的に時間通りです。また、メインストリート近くでは5分に一本のペースで頻繁に運行しているのでとても便利です。私が住んでいる寮からキャンパスまで少し距離があるのですが、このトラムのおかげでとてもスムーズに毎日通学することが出来ています。

ブルノ市の街並み
トラムは夜も走っています

「チェコ」という馴染みのない国

私がこの大学を選んだ理由として、幼少期にアメリカに住んでいた経験があるため、まだ住んだことのないヨーロッパの非英語圏である点に加え、「あまり自分が知らない国」ということでチェコにある大学にしました。実際に来てみると、一般に語られるヨーロッパのイメージとはどこか異なる独自の魅力を感じています。ヨーロッパの中心に位置しますが、イタリアやフランスなどのラテン系文化の華やかさとは少し違い、スラブやゲルマンの文化が混ざりあった落ち着いた独特の雰囲気をとても気に入っています。

チェコならではの経験

留学先がチェコと決まった時、非英語圏ということもあり、現地で上手くコミュニケーションがとれるのかを不安に感じていました。幼少期に住んでいたアメリカでの経験から、「言語が分からなくても、まずは必死に伝えようとするところから始まり、そこから徐々に話せるようになる」というイメージを持っていたからです。しかし、実際に来てみると、私の予想とは異なる展開がありました。

トラムは定期券で乗ることができ、ショッピングは基本的にセルフレジで済み、気づけばチェコ語どころか、ほとんど言葉を発さずに生活が出来てしまっていました。振り返れば、日本でも毎日たくさん話していたわけではなく、ヨーロッパは日本よりもテクノロジーが普及している為、日常生活の中で人とのコンタクトが自然と減るのも納得です。

チェコに来る前は「ヨーロッパに住めばその場所ならではの経験が出来る」と安易に考えていた部分もありましたが、やはりどのような経験をするかは自分の行動次第ということに気づかされました。様々な体験も、現地の言語の習得も、風任せではなく自分から行動しないといけないということを改めて実感しました。また、言葉を発さなくても暮らしは出来ますが、苦労がないわけではありません。

ブルノは留学生が多いのにも関わらず、街では英語表記が少なく、トラムのアナウンスもチェコ語のみです。そのため、理由がわからないまま突然トラムから降りなければならないことがあったり、いきなり行先が変わっていたりというハプニングが起こることもあります。また、食品パッケージの裏には10か国語ほど表記されている割になぜか英語表記がないものが多いので、どれを買えば良いのか迷います。さらに、あるドラッグストアはドイツ企業のため、商品説明がほぼドイツ語で書かれており、こちらに住んでいるチェコ人でさえ読むのに苦労すると、友達になったチェコ人から聞きました。このような、国境を越えて言語が入り混じる、ヨーロッパならではの環境での体験は、とても興味深く感じています。

生活そのものの大切さ

私は、AIUでは基本的に寮や図書館で大半の時間を過ごし、勉強に全力で向き合うという過ごし方を好んでしていました。しかし、こちらではもちろん大学の学びと共に「生活そのもの」も大切にできていると感じます。天気の良い日はトラムを使わずに歩いて帰ってみたり、その途中で広場の小さな音楽のフェスが開催されていると少し立ち寄ってみたりなど、日々の移動や偶然の出会いが小さな楽しみになっています。

キャンパス近くの公園です。学生が課題に向き合う姿や、親子連れが遊ぶ姿など、さまざまな人々の活動が見られます。

これからの意気込み

便利になった今の時代、現地の言語を話せなくてもなんとなく暮らせるという気軽さはあります。しかし、「一年間の留学」という貴重な機会だからこそ、もっとこの国と深く関わり、理解したいと思うようになりました。この留学期間の残りは積極的に自分から行動して様々な経験をしてみたいと思います!

国際センターから一言

提携校によっては、今回のように複数の学部から履修できる場合と、特定の学部に限定される場合があります。佐々木さんのように、1つのトピックを様々な視点(学部)から多角的に学ぶことが出来るのは、複数の学部から履修できる環境ならではの大きなメリットと言えます。

レポートを通じて、チェコ・ブルノでの生活、そしてマサリック大学の学びは、いずれも佐々木さんに適した良い選択だったと感じることができました。英語の表記やアナウンスが無い環境は大変なことも多いかもしれませんが、だからこそ今後さらにチェコ・ブルノでの生活に慣れていくことも楽しみの1つになりそうですね。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。