AIU TOPICS
学生活動
テーマ別ハウス紹介(秋田つむぐハウス、ジェンダー学ハウス)
国際教養大学では、キャンパス内での生活もリベラルアーツ教育の一環と捉え、日常生活の中でもさまざまな学びを促すことを目指し、「テーマ別ハウス」を導入しています。共通のテーマに関心を持つ学生たちが同じ学生宿舎で生活しながら活動を行うもので、テーマ別ハウスのメンバーは、1学期もしくは2学期間の共同生活を通じて、テーマに沿ったイベントの企画・運営に取り組みます。
今回は、8つあるハウスの中から、秋田つむぐハウスとジェンダー学ハウスを紹介します。
秋田つむぐハウス
秋田つむぐハウスとは自然と人との繋がりを中心に地域と関わりながら秋田の豊かな魅力を学生目線で表現していくハウスです。県内各所に出向き春は山菜採り秋は鍋っこ遠足など秋田の地域文化に触れながら地図に載らない魅力を刺繍で表現したり秋田での生き方を考える座談会を行うなど地域の未来をも考えながら精力的に活動しています。


秋田つむぐハウスは今学期、秋田のローカルな魅力や自然、歴史、産業に触れるフィールドトリップを実施しました。
男鹿市と大潟村へのフィールドトリップ
このフィールドトリップは、秋田特有の食文化への理解を深め、男鹿市・大潟村(いずれも秋田県)の自然や地理的背景、環境保護活動について学ぶことを目的に行われました。
主な活動内容
- 環境と産業の視察:秋田県立大学に隣接する松林での「松枯れ(松の病気)」被害の現状を見学。また、秋田市内にある油田の採掘施設も訪れました。
- 男鹿市の自然と文化体験:寒風山(かんぷうざん)を訪れ、その麓にある「板場の台」でわらび収穫を体験。さらに、巨大な岩が折り重なる景勝地「鬼の隠れ里」を見学しました。
- 大潟村の地理と環境保護:日本で唯一、頂上がちょうど海抜ゼロメートルとなっている「大潟富士」への登山や、東経140度・北緯40度が交わる「経緯度交会点表示塔」を見学。さらに、八郎湖の水質改善に取り組む「はちろうプロジェクト」の活動を学びました。


参加者コメント
寒風山周辺でのわらび採りは山菜が生活に身近であることを学び、秋田や男鹿の生活に根付いた暮らしを垣間見ることができました。大潟村では特徴的な地理的構造に基づいた農業や現代の水質改善のプロジェクトに携わっている方のお話を聞き、環境と生物多様性について改めて考えるきっかけとなりました。
今回のフィールドトリップでははちろうプロジェクトの方、男鹿半島観光ガイドの方、そしてアドバイザーの名取先生に関わっていただき大変お世話になりました。皆様のご協力なしには実施できなかったフィールドトリップでした。心より感謝申し上げます。
由利本荘市バストリップ
また、秋田つむぐハウスは別のフィールドトリップで由利本荘市(秋田県)を訪れ、伝統文化の体験と、独自のワークシートを使った市街地の探索を実施しました。
主な活動内容
- 「ぜんまい織り」体験(旧・鮎川村 / 現・甘鷺地区):古くから防虫効果があるとされ、身近な山菜である「ぜんまい」の綿を織り込む、全国的にも極めて珍しい伝統織物を体験。昔ながらの織機や糸紡ぎの機械に触れました。
- 街歩きビンゴ: ハウスメンバーが自作したワークシートを手に、由利本荘市の中心市街地を散策。「自然、人、想い、居場所、五感、手仕事、デザイン、暮らし、自由枠」の9つの視点から、日常に隠れた街の魅力を切り取るフィールドワークを行いました。
- テーマ別の探訪: 「自然探究チーム」と「発酵・酒チーム」に分かれ、それぞれ子吉川の河川敷や、地元密着の麹・発酵食品店などを巡り、暮らしに息づく秋田らしさを掘り起こしました。
参加者コメント
ぜんまい織り体験では、昔の人が防虫のためにぜんまいの綿を織物に活かした生活の知恵を学びました。実際に織機を動かして作ったメンバーそれぞれの個性豊かなコースターは、お気に入りの記念品です。かつての甘鷺城跡(天鷺城)から街を一望したのも素晴らしい思い出です。
また、街歩きビンゴでは、一般的な観光マップには載らないような『人々の空間の使い方や日常の営み』を可視化することに挑戦しました。肌で感じる風の音、生活に息づく伝統工芸、そして『発酵小路田屋』さんのように地域の食文化を守り発信し続ける人々の熱い想いに触れ、この街がこれからどのように受け継がれ、発展していくのかに強い興味が湧きました。


ジェンダー学ハウス
ジェンダー学ハウスはふとした疑問をジェンダー学の枠組みで考えるハウスです。「女子校の意義とは?」「プライドマーチは誰のもの?」「お祭りでの性役割は維持すべき?」など身近な題材を取り扱います。メンバーも初学者が多く、共に学んでいくことを目的にしています。

「秋田プライドマーチ」への参加
私たちジェンダー学ハウスは、秋田市で開催された「秋田プライドマーチ」に参加しました。ハウスメンバーは、虹色のフラッグを掲げて秋田駅付近を行進しました。今回のテーマは「We are here(私たちはここにいる)」。この言葉には、LGBTQA+当事者がここにいること、そして彼らを支えるアライ(理解者・支援者)もまたここにいる、という強いメッセージが込められています。当日は他の都道府県からも多くのLGBTQA+活動家が駆けつけ、平和で明るい雰囲気の中、参加者が一緒に力強く前進しました。
参加者コメント
私自身、平等の権利やジェンダーエンパワーメント(ジェンダー平等の推進)を訴える活動に直接参加したのは、今回が初めてのことでした。もともとこのコミュニティやジェンダー・セクシュアリティのテーマには関心があったものの、当事者や関心を持つ人々の輪に加わることには、少し怖さや不安もありました。「自分が浮いてしまうのではないか」「通りすがりの人たちから冷ややかな目を向けられるのではないか」と想像していたからです。しかし、そんな事前の心配とは裏腹に、マーチは非常に穏やかに進行し、街頭で見守る人々もとても好意的に応援してくれました。あらゆるジェンダーが社会に認められるという祝福の場に対して、秋田の多くの人々がとても温かいサポートの姿勢を持っているのだということを、身をもって実感できる素晴らしい体験となりました。

「秋田プライドマーチ」参加後のディスカッション
私たちは秋田プライドマーチに参加し、後日、ハウスメンバーでイベントに関するプレゼンテーションとディスカッションを行いました。この振り返りセッションでは、イベントの基本情報を学ぶとともに、若い世代や秋田県民に向けてこのマーチをどのように広めていくべきかについて意見を交わしました。また、大音量の音楽や車道を横断するパレードのルートなど、運営上の課題(マイナス面)の視点からも議論を展開しました。これにより、秋田プライドマーチへの理解をより一層深め、今後どのような改善ができるかについて考える貴重な機会となりました。
参加者コメント
今回のイベントでは、参加者全員が主体となって活発に議論を交わすことができたため、企画者として非常におもしろく、大きな手応えを感じました。メンバーの一人からは「秋田プライドマーチの本来の目的や歴史を含め、知識を広げることができた」という嬉しい感想を聞くことができました。私が用意したプレゼンテーションや問いかけが、参加者の皆さんにとって、プライドマーチが置かれている現状に目を向けるきっかけになったことを心から嬉しく思います。
