カリキュラム

専門教養教育 グローバル・スタディズ課程

グローバル化の進展する世界において、様々な分野で活躍するとともに、自国だけではなく広く人類社会に貢献することができる知識と思考力、コミュニケーション能力を備えた人材の育成を目指します。

特色1:広範な知識に裏打ちされた思考力とコミュニケーション能力を育む

グローバル化を生き抜くためには、広範な知識に裏打ちされた論理的かつ創造的な思考力・発想力を身に付けねばなりません。そこで、本課程では学生に対して、各国や各地域の歴史、文化、社会、政治、経済をはじめ、多国家間・地域間の関係、国際機関・国際組織の機能と役割、地球規模の現象や問題に関するさまざまな授業科目を履修することを求めます。学生は、知識の蓄積と深化に努めるとともに、学修活動への積極的参加を通して、従来の発想や価値観にとらわれない柔軟な考察・分析力を磨いていきます。

世界中の人々と意思疎通を図り、自らの意見や考えを相手に伝えることができるようになるため、コミュニケーション能力(意思疎通能力・発信力)の育成にも力を入れています。特に、今日の世界言語ともいうべき英語については、会話力、聴解力のみならず、読解力と作文力の四拍子を兼ね備えることが重要となります。学生は必要に応じて、英語以外の外国語を履修することもできます。

特色2:「北米研究」「東アジア研究」「トランスナショナル研究」分野

GS課程は、「北米研究」、「東アジア研究」、「トランスナショナル研究」の 3 分野からなり、学生は各自の興味関心に沿って、そのうちの一つを専攻分野として選択し、セミナーに所属することになります。各分野の概要は以下のとおりです。

北米研究分野

北米分野では、アメリカ合衆国を中心に北アメリカ大陸の地理、歴史、文化、政治、経済、社会、域内関係、国際関係について学修します。

東アジア研究分野

東アジア分野では、我が国をはじめ、中国、台湾、朝鮮半島、モンゴル、極東ロシアからASEAN諸国までを含めた広範な地域の地理、歴史、文化、政治、経済、社会、域内関係、国際関係について学修します。

トランスナショナル研究分野

国際連合等の国際機関、EUのような国家連合体、国際法、国際援助、移民問題、環境問題、グローバル時代のコミュニケーションやメディアについて学修します。

例えば、こんな科目があります

  • SOC 365:中国現代社会
    貧富の格差、環境問題、チベット・ウイグルの少数民族問題、尖閣・南沙諸島に代表される領土問題など、中国社会は様々な問題に直面しています。そして、これらの問題には中国共産党による一党政治体制とその政治力学が非常に深く関係しています。この科目では、現代の中国社会が抱える問題について最新の情報をもとに理解することに加え、近年ますます強硬路線に転じる中国外交についても議論します。
  • PLS 385:社会運動と民主化
    インターネットを始めとする情報技術の発達と多様化に伴い、「運動(Movement)」という言葉の意味も変化を続け、地域社会やアイデンティティ、また、国際政治の世界までを広く再構築するようになりました。この科目では、デモを含む集団行動の原理や、政治的背景といった社会運動を生み出す要因について議論を重ねながら、国家や国境を越えたトランスナショナルな枠組みの中で広がり続ける社会運動と民主化について深く考えます。
  • SOC 345:アメリカにおけるマイノリティ
    多様なマイノリティの存在は、地球規模での人の移動を考える上でどの国にとっても大変重要な課題です。この科目では、米国における人種・民族マイノリティの位置付けと変遷に焦点を当て、それらと密接に関連する社会、政治、経済的な変化、そして移民、市民権といった課題を取り巻く今日の学術的議論について理解を深めます。

教員からのメッセージ

教員からのメッセージ

混沌の世界を生き抜き、雄飛することを目指して。

今日我々は「グローバル化(地球規模化)」と呼ばれる現象の渦中にあります。1990年代以降、冷戦構造は崩壊し世界各地において政治社会変動が生じました。インターネットに代表される科学技術の発達は高度情報化社会の出現を促し、人類社会は、人種や民族、宗教、国籍などを超えた相互交流を広範化かつ深化させつつあります。しかしその一方で、世界各地において、歴史認識や、文化、政治・社会制度の相違、経済状況の差異等に起因する紛争や軋轢が止むことはありません。環境破壊や気候変動、パンデミックといった超地域的・地球規模的問題も深刻さを増しこそすれ減ずることはありません。

まさに、昨今の世界は「混沌」と言っても過言ではない情勢下にあり、我々は、そうしたなか、一個の人間としていかに生きるべきかという問いに直面しているのです。個人が自らの幸福や富貴、立身栄達を追求するのは、ごく自然なことですが、私利私欲の追求のみに専心することを是とするわけにはいきません。渋沢栄一が「社会の一員、国家の一民たる以上、何人も一国一郷に対し我がものであるとの覚悟を持たねばならぬ」と語ったように、我々は、一個人であると同時に、日本人としての確固たる自覚をもち、自国のために何をすべきなのかについても真剣に考えねばなりません。加えて、グローバル化時代の今日、人類社会の一員としての自覚も求められています。

本課程では日本を含めた各国や各地域の歴史、文化、社会、政治、経済をはじめ、多国家間・地域間の関係、国際機関・国際組織の機能と役割、地球規模のさまざまな現象や問題に関する科目を提供することで、世界で活躍し、かつ自国のみならず人類社会に広く貢献できる人材の育成を目指します。

水野 智仁 Dr. Norihito MIZUNO
グローバル・スタディズ課程長/教授

教員紹介

教員紹介

私は人の国際移動をめぐる政治制度に関心を持ち、現在は特に欧州連合(EU)の出入国管理政策に注目して研究しています。大学時代に中南米に留学した時に、どの国に生まれるかで大きく異なる人々の境遇を目の当たりにし、人々の境遇を分け隔てる象徴としての国境の役割に興味を持ったことがきっかけです。大学卒業後、一度社会に出て働きましたが、自分の関心を深めたく、大学院に進学し研究を進め、現在に至ります。 ヨーロッパの国々は、国という枠組みを超え地域で物事を決め、政策を実施する仕組みを構築してきました。ヨーロッパが近年直面している移民や難民をめぐる課題についても例外ではなく、加盟国が協力して取り組もうとしています。EUの対応策とその問題点を学ぶことで、日本を含む国際社会にとっての知見を得たいと考えています。本学では、研究活動を通して得られた経験や知識を、「国境と人の移動」や「ヨーロッパの政治と経済」などの講義やトランスナショナル研究セミナーを通してAIUの学生と共有し、議論を通して深めています。

未来のAIU生へのメッセージ

AIUは日本・国際社会で将来活躍したいという学生が切磋琢磨する場を提供しています。また、秋田という一地方にありながらも、キャンパスでの勉学に加えて、課外活動や留学を通して国内、世界とつながっています。理想の未来像に真剣に向き合う大学生活を送りたい人の入学をお待ちしています。

堀井 里子 Dr. Satoko HORII
欧州の政治と経済、国境と人の移動ほか 担当/助教

学生紹介

学生紹介

本学への志望動機は何ですか?

AIUを進学先に選んだ理由は、1年間の留学義務が課せられていることでした。海外を旅行して世界を見ることを切望していたので、私の長年の夢が叶えられると思い決めました。大学卒業後何をしたいかはまだわかりませんでしたが、留学したいという目標だけは明確でした。私の選択は正解でした。

特に印象に残っているGSの授業は何ですか?

GS課程で履修した科目で一番影響を受けた科目は、研究論文を提出した北米研究セミナーです。このセミナーは、教授が講義を行うのではなく、学生がそれぞれ選択したテーマについて研究活動を行う形式で、主体性、自律性が求められる授業でした。これまでに履修した授業から得たすべての知識を活用して取り組みましたが、自分でテーマを設定し、多くの資料を調べ論文にまとめることはとても難しい作業で、行き詰ることが幾度かありました。その度、教授が私に問いを投げかけ、論点がずれている箇所に気づかせてくれ、やり遂げる力を与えてくれました。北米研究セミナーは、自分にとって最も難しい授業でしたが、素晴らしい教授の指導のお陰で、AIUでの学びの集大成として満足できる研究論文を完成することができました。

将来の夢は何ですか?

大学で学ぶうちに自分自身が人権問題に強い関心があることに気がつきました。人種差別や女性差別は発展途上国だけで起きている問題ではなく世界共通の問題であることがわかり、世界中で不平等な出来事が起きていている状況を知るうちに、国内外で差別廃止を提唱するための活動に従事したいと思うようになりました。そのために、国連またはNGOで働きたいと考えています。

自分の成長をどのように感じましたか?

1年間の留学は私を大きく成長させました。言葉も文化も考え方も異なる国で生活し学んだ経験は、私を強くし、新しい自分に気づかせてくれました。初めは意見や考えの違う人達と意見を交わすことに勇気が必要でした。こうした経験が、私の視野を広げ、自己を認識するきっかけとなりました。また、様々な問題を一人で解決したり、挑戦する経験は、大きな自信につながりました。留学を終えて実感したことは世界は小さいということです。自分が望めば成長できる機会が世界には無限大にあります。

本学を目指す皆さんに伝えたいこと

大学に入学する前に自分の将来について決める必要はありません。重要なのは、入学後、広い視野を持ち、時間を最大限に有効活用することだと思います。高い就職率という評判でAIUに入学し就職のことだけを目標に大学生活を送ってしまうと、AIUでの学びや生活から得られる貴重な経験を享受することはできないでしょう。AIUは様々な経験を持つ学生、教職員が、異なる国・地域から集うとても面白い大学です。また、1年間の留学など海外で学ぶ機会を通して、視野を広げることができます。前進と変化を続け、自分の生まれ育った国に貢献できればと考えています。

ナナ ウィスネスキー Nana WISNIEWSKI (秋田県/2012年入学)