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国際教養大学(AIU)には、言語と文化いずれの観点においても唯一無二の学修環境があります。授業に限らず、生活のあらゆる場面で英語が使われており、フォーマル・カジュアルを問わず英語に触れる機会が日常的に存在しているということです。学部生に用意された英語集中プログラム(EAP)では、経験豊かな教授陣が質の高い英語教育を実践する場面を目の当たりにすることができます。言語異文化学修センター(LDIC)には諸外国語の優れた教材が用意されており、個人学習、グループ学習に最適な環境を提供しています。AIUのキャンパスは、自身の英語運用能力を伸ばしながら、優れた英語教師になることができる最良の場所と言えるでしょう。ELTのカリキュラムは、英語教育実践理論の基礎を固めると同時に、自らが生涯を通じて自省的に英語とその文化を吸収し続ける姿勢を養っていきます。
ELTの教育課程は2年間を基本としていますが、現職教員などの場合は、通常の勤務を続けながら土曜日のみの授業を履修することで4年で修了することも可能です。
中学校・高等学校一種教員免許状を取得済みの場合は、所定の科目を履修することで修了時に専修免許状を取得することが可能です。また、教員免許状を未取得の場合でも、教職課程を同時履修することで、修了時に高等学校一種免許状を取得し、同時に専修免許状を申請・取得することができます。
高校での教育実習の様子
イングリッシュビレッジ
文部科学省「スーパーグローバル創成支援事業」の一環として、ELTの学生を中心に展開しているのがイングリッシュビレッジです。本事業は、日本全国の中高生を対象とした2泊3日の集中英語研修プログラムで、年間を通じて開催されています。ELTで身に付けた指導技術や、作成した教材などを実際の授業に適用する貴重な機会となっています。
研究・学会活動
ELTでは、学生の研究・学会活動を奨励しています。国際学会で発表するために必用な研究の方法、論文作成のスキルは、授業科目の中で学んでいきます。
2021年度の研究発表実績
JALT2021 Online
- Disagreement during group discussions in an EFL university
- Effective use of questions and scaffolding in active classroom interaction
- Fostering critical thinking among SHS students using debate-based activities
- Conversation strategies used between a teacher and students in an EFL classroom
- Interactional competence of active EFL learners
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国際コミュニケーションとしての英語(EIL)という観点に立てば、英語を学ぶ生徒たちが将来コミュニケーションを図る相手は、英語母語話者というよりは、外国語あるいは第二言語として英語を使用している人々となるだろうことは想像に難くありません。英語教育が育成するべきは、日本人の特色を有しながらも十分に通じる英語を駆使する人材であることを意味していると言えるでしょう。
流ちょうさに重点を置くことは、新しい時代の日本の英語教育を成功させる重要な要素となります。正確さは、流ちょうさと同時に育成されるべきものです。まずは多くの語彙を習得することが必要であるとか、話したり書いたりできるようになるためには、文法を熟知しなくてはならないといったような古くからの妄信から抜け出す必要があるのです。生徒が流ちょうに英語を使えるようになるためには、meaning-focused learning(既習の言語項目を用いる学習活動)が不可欠ですが、日本の英語授業ではそれが不足しているのです。
「知ることとできることは似て非なるもの」ということわざが示すとおり、ELTにおいては、理論や指導技術をよく理解していることに加えて、それらを教室の指導で具現化する力を身につけていただきます。これこそが、ELTの特色なのです。
内田 浩樹
国際教養大学専門職大学院 グローバルコミュニケーション実践研究科
研究科長
英語教育実践領域長
教授
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AIUでの2年間は、私の人生のなかで最もやり甲斐のある時間でした。良い言語教師になるには何が必要なのかを探求することができました。私が学んだ英語教師の基礎を成す大切なこと。それは生徒に意欲を与え、英語を学ぶことに自信をつける手助けをするということです。
私は現在、秋田工業高等専門学校で英語科目を担当しています。入学当初の生徒は、英語に自信もなく、英語学習には積極的とは言えません。私の授業では、間違えることは学びの一部なのだということをしっかりと伝えるようにしています。ある生徒が、授業アンケートに「日本語でもプレゼンテーションをしたことがなかったけれど、英語で発表できた。自分の思い出や経験を英語で伝えられて楽しかった。」と書いていました。この言葉からもわかるように、教室にフレンドリーで明るい雰囲気を作ることで、生徒の姿勢を変えることができるのです。一歩踏み出すことで、自分がいままで無理だと思っていた新しい世界に触れることができる、そんなことを私たち教師は教えることができるのです。そして、生徒は、自信を深めて英語を話すようになっていきます。
Tilabi YIBIFU (国籍:中国)
- 2018年9月
- 国際教養大学専門職大学院 英語教育実践領域入学
- 2020年8月
- 英語教育実践領域を修了(修士)
- 現在は秋田工業高等専門学校に勤務
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教員として働きながら、科目等履修生としてAIUに4年間通い、また英語教育実践領域で2年間集中して学び、より良い英語教師になりたいという気持ちが強くなりました。入学してからは、経験豊かな教授陣から理論を学び、英語授業の様々な方法を試しながら自身の英語指導力を磨いてきました。また、いつも刺激を与えてくれる仲間と議論を重ねたり、英語集中プログラム(EAP)で学ぶ学部生の個別指導を経験させていただいたりしたことは、貴重な経験となりました。
英語教育実践領域での学びの中で最も心に残っているのは授業実習です。大学院科目で学んだ知識を生かしながら、活発なコミュニケーションを生み出す授業を計画し、展開する方法を身につけました。現在は、在学中に実習をさせていただいた御所野学院高等学校(秋田市)に勤務しており、ELTの実習生を受け入れる立場になりました。自分自身の経験や大学院での学びを後輩に還元できることも大きな喜びです。
髙橋多惠 Tae TAKAHASHI (国籍:日本)
- 2018年4月
- 国際教養大学専門職大学院 英語教育実践領域入学
- 2020年3月
- 英語教育実践領域を修了(修士)
- 現在は秋田市立御所野学院高等学校に勤務
英語を効果的に教える方法はあるのだろうか?そもそも英語を教えるとはどういうことなのだろう?現職教員として、こうした思いは常に私の頭のなかで渦巻いていました。ELTの一つひとつの授業が、私の疑問に答えるヒントを与えてくれました。意欲溢れる仲間とのディスカッションや、素晴らしい教授陣からのフィードバックは、私の授業スキルを高め、英語教育を捉える視野を広げてくれています。ELTは素晴らしい学びの場です。
松元 梓 (国籍:日本/出身大学:神戸市外国語大学)
実践経験の乏しい教員志望者である私にとって、大学院選択の決め手は実際の教室でどのように教えるかを学べる機会があることでした。ELTはそれを実現してくれます。理論を実践に生かす訓練を積み、教授陣や他の院生からのフィードバックを得ることができる環境は、教員志望者にとってとても貴重です。実践的なトレーニングを求めるならば、ELTは最適な場所です。
Alaric Davis (国籍:アメリカ/出身大学:サウスイースト・ミズーリ州立大学)
学部時代の友人の多くはすでに英語教員として働き始めていましたが、私はさらに2年間、大学院で学ぶ選択をしました。そしていま、自分の選択が間違っていなかったと確信しています。ELTでは学術的な研究に必要な知識やスキルだけでなく、教室で教えるにあたっての実践的な学びを得ることができます。こうした基盤づくりは英語教師を目指す者にとって、とても有益です。ELTは英語教師としての基礎を固めることができる場です。
西村 双葉 (国籍:日本/出身大学:熊本大学)
「一人で見る夢はただの夢。仲間とともに見る夢は現実のものに。」ジョン・レノンのこの言葉のとおり、ELTは皆で英語教育に大きな変化を起こすことができる場所です。これまでの1年間で、英語教育に関わる成長、そして人間としての成長を感じることができました。中高生のためのイングリッシュビレッジ(英語研修プログラム)のスタッフを務め、ティーチングのスキルに加え、協働する力を磨くことができました。こうした機会は、ELTならではのものです。
横倉 悠人 (国籍:日本/出身大学:ポートランド州立大学)
ほか、秋田県、静岡県、及び奈良県公立学校に復職、など