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研究科長メッセージ

20世紀末は、あらゆる意味で混沌とした時代でした。ソビエト連邦の崩壊によって冷戦が突如として終結を迎え、このことが、欧州連合形成の議論に新たな視点を与えることにもなりました。時を同じくして、急激な気候変動といったような、数々の環境問題が取り沙汰されるようになっていきました。個々の国では対処しきれない問題が存在するのだという認識を新たにした時代でもありました。インターネットの急速な発展も国を超えた社会のあり方についての議論を加速させました。グローバル・コミュニケーションは、こうした大きな変化の時代に萌芽した比較的新しい学問分野です。国際社会の諸問題を学際的に論じるわけですから、インターナショナル・リベラル・アーツ・カレッジとしての国際教養大学が設置するにふさわしい大学院だと言えるでしょう。

なぜ「インターナショナル」ではなく「グローバル」なのですか?とよく問われます。その答えは、これらの語の形態素に注目すると見えてきます。インターナショナルという語の語根は「nation(国)」であるのに対し、グローバルのそれは「globe(地球)」です。グローバル・コミュニケーション分野では、政治的、経済的、そして文化的な協調(時には摩擦)を地球規模で議論していくということです。

グローバル・コミュニケーション実践研究科には、3つの領域があり、それぞれの領域で特定の職業についての訓練を受けますが、全ての学生が身に付けるべき知識と技能については共通科目群に配置して開講しています。また、学際的な本大学院では、他領域の専門科目から9単位(3科目に相当)を修了単位として履修することができるのも特徴です。

世界各地からの留学生と日本人が教室を共にして切磋琢磨する本学のグローバル・コミュニティに是非おいでください。

内田 浩樹 Hiroki UCHIDA
国際教養大学専門職大学院
グローバルコミュニケーション実践研究科 研究科長
Dean of School of Global Communication and Language