「応用国際教養教育(Applied International Liberal Arts: AILA)」は、統合知と人間力が相互に作用しながらグローバルリーダーとしての素養を高めていく「しくみ」です。
このページでは本学が提供する、統合知と人間力を育てるしくみについて、実際に学生が経験するであろう学びの流れに沿ってご紹介します。
英語で行われる授業で積極的に学び、参加できるように、学生たちはまず、英語集中プログラム(EAP)で学術英語を徹底的に鍛えます。EAPのクラス分けは、入学して最初に受けるTOEFL® TESTの結果に応じて行われます。(9単位以上。EAPブリッジ・コースを履修する場合は3単位)
クラスレベル | EAPⅠ(9単位) TOEFL ITP® TEST 479点以下 |
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Reading | ◎内容理解力を高める ◎読むスピードを上げる ◎頻出度の高い語彙を使う能力を伸ばす |
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Writing | ◎基本的なライティング技術を学ぶ ◎単文の文法を復習する ◎パラグラフを書く練習をする |
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Listening & Speaking | ◎公的場面と日常生活でのコミュニケーションスキルを高める | ||
Computer Basics | 大学の授業に必要なコンピュータを使う能力を育成する | ||
TOEFL® TEST Preparation | TOEFL® TEST受験の準備をサポートし、テストに含まれる全スキルを向上させる |
クラスレベル | EAPⅡ(9単位) TOEFL ITP® TEST480点~499点 |
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Reading | ◎最頻出英単語2,000語をマスターする ◎内容の要点や話の筋を見極める ◎読み物に対する自分の意見や感情を説明する |
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Writing | ◎様々なライティングスキル・思考スキルを磨く ◎パラグラフから全体の流れを意識したライティングへ移行する ◎論理的かつ読みやすい文章を書く |
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Listening & Speaking | ◎より学術的な内容でのコミュニケーションスキルを高める | ||
Computer Basics | 大学の授業に必要なコンピュータを使う能力を育成する | ||
TOEFL® TEST Preparation | TOEFL® TEST受験の準備をサポートし、テストに含まれる全スキルを向上させる |
クラスレベル | EAPⅢ(9単位) TOEFL ITP® TEST 500点以上 |
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Reading | ◎大学レベルの課題に取り組むために必要な語彙力を身につける ◎批評的リーディング技術を磨く |
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Writing | ◎学術的なエッセイ、長文のライティングに取り組む ◎自己校正の練習やクラスでの意見交換をする ◎適切なスタイル・書き方を選択する |
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Listening & Speaking | ◎プレゼンテーションやデモンストレーションを行う ◎批判的思考に基づいたディスカッションを行う |
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Computer Basics | 大学の授業に必要なコンピュータを使う能力を育成する | ||
TOEFL® TEST Preparation | TOEFL® TEST受験の準備をサポートし、テストに含まれる全スキルを向上させる |
自分自身の文化的アイデンティティについて学び、それをもとに大学生活や周りの環境にどう適応するのかについて考えます。
入学後の1学期目に、ブリッジ・コースの他に基礎科目群の中から次の3科目を履修します。
アカデミック・リーディング (3単位) | 大学の授業で使われる様々な分野の文献を読みこなすための読解力、スピードを身につける。 | ||
英作文Ⅰ (3単位) | 1,500語~2,000語の小論文に取り組むなど、大学の授業に必要なライティングの実践スキルを学ぶ。 | ||
コンピュータ・リテラシー (3単位) | 社会でも役立つコンピュータの基礎知識と運用能力を習得する。 |
大学での学び方、より高度な英語力、グローバル社会、キャリア形成など、大学で学ぶための基礎を固めていきます。(30単位以上)
基礎科目群の科目一覧はこちらからご覧いただけます。
上記デジタルパンフレットが閲覧できない場合はこちらのPDF版をご覧ください。
幅広い知識とスキルを身につけ、教養専門科目群に進む基盤を築きます。(31単位以上)
クラスター=学びの切り口
100、200番台レベルの外国語などを除く教養基礎科目、教養専門科目は、学びの切り口を示す7つの分野に科目を分類しており、これをクラスターと呼んでいます。 それぞれの科目が、どのような学問領域に深く関わっているかを示すことにより、自身の領域にある学びの切り口を明確化するとともに、他領域のどのような視点を含めて議論するべき科目であるかを意識しながら学修することができます。
- Bビジネスクラスター
- E経済学クラスター
- Gグローバル社会クラスター
- P政治学と国際関係論クラスター
- Sサステナビリティクラスター
- H人、文化とコミュニケーションクラスター
- T科学技術と社会創生クラスター
教養基盤科⽬群の科目一覧はこちらからご覧いただけます。
上記デジタルパンフレットが閲覧できない場合はこちらのPDF版をご覧ください。
※青字で示した科目は後述の教養専門科目群と重複する科目です。
AIU TOPICS「私のオススメ授業紹介」シリーズでは、実際に授業を履修した学生から聞いた、生の声をご紹介しています。
「学びの軸足」となる領域を選択し、様々な「切り口(分野)」で学びを深めます。(48単位以上)
1年間の留学義務
留学の「中身」こそが成長の鍵。団体ではなく「少人数」で、そして語学留学とは違いあくまでも「専門科目を修得しながら英語や第三言語の力を磨く留学」。
グローバル化の進展により、企業活動は拡大・複雑化の度合いを増しています。変化が加速し、不確実性が増していく現代において、企業が社会に有用な財・サービスを持続的に提供していくためには、ニーズを地域規模、そして地球規模で的確に把握しつつ戦略を策定しなければいけません。本領域では、これに対応すべく経済学およびビジネスを中心に幅広い教育を提供し、創造力、批判的思考力、そして、グローバルな視点を備えた人材を育成します。
教養専門科目群の科目一覧はこちらからご覧いただけます。
上記デジタルパンフレットが閲覧できない場合はこちらのPDF版をご覧ください。
※青字で示した科目は教養基盤科目群と教養専門科目群の両方を満たす科目です。
ECN230 国際財務管理
グローバル展開する企業が円滑に経営を続けていくためには、国際金融市場の動きを正しく理解し、その流れに沿った資金調達や資産運用を行うことが求められます。この科目では、為替先渡取引やオプション契約、借入金融など多国籍企業が財務リスクを回避するのに役立つ様々な概念・理論を学び、その運用手法の修得を目指します。
ECN318 グローバル・マーケティング
ダイナミックに変化し続けるグローバル市場の中で、効果的に顧客へ価値を提供するためには、マーケティング戦略に関わる概念や理論だけではなく、文化的、歴史的、経済的、法的、論理的、そして社会的な問題を認識することも必要となります。この科目ではグローバル市場を様々な角度から調査・分析・評価する手法を学びます。
ECN368 環境経済学
環境汚染や気候変動に対する規制や政策を実施する際、便益(ベネフィット)と費用(コスト)の両方が発生します。環境経済学の講義では、こうしたトレードオフの関係を適切に理解し、環境税や排出権取引などの実際の環境政策について、便益費用分析のフレームワークに則った評価手法を学んでいきます。
AIU TOPICS「私のオススメ授業紹介」シリーズでは、実際に授業を履修した学生から聞いた、生の声をご紹介しています。
グローバル化を生き抜くためには、広範な知識に裏打ちされた論理的かつ創造的な思考力・発想力を身につけなければなりません。そこで、本領域では学生に対して、各国や各地域の歴史、文化、社会、政治、経済をはじめ、国家間・地域間の関係、国際機関・国際組織の機能と役割、地球規模の現象や問題に関する様々な授業科目を履修することを求めます。学生は、知識の蓄積と深化に努めるとともに、学修活動への積極的参加を通して、従来の発想や価値観にとらわれない柔軟な考察・分析力を磨いていきます。
教養専門科目群の科目一覧はこちらからご覧いただけます。
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※青字で示した科目は教養基盤科目群と教養専門科目群の両方を満たす科目です。
SOC310 グローバル化時代における社会的課題
グローバル化が進展する今日の世界には、数えきれないほどの様々な社会問題が存在しています。本科目では、一つの国家や地域に焦点を当てるのではなく、格差や貧困、環境、人の移動、宗教・イデオロギー、ジェンダー等、世界各国・地域、更には全地球的規模で発生している問題について理解を深め、その解決策について議論を試みます。
SUS200 持続可能な未来
現在、我々は幾何級数的人口増加に伴い、エネルギー、鉱物、水、食料資源の枯渇といった人類の生存を根本から脅かす課題群に直面しています。さらに気候変動による異常気象の頻発、感染症の拡大なども深刻化し、将来世代の存続を真剣に検討しなければならなくなっています。このような状況に対応すべく国連は17からなる持続可能な発展目標を掲げ、マクロ・ミクロレベルでの対応を各国政府が主体となって取り組んでいます。本科目では持続可能な未来構築に向けて何をどのように理解し、そして何をすべきかを多元的側面から学びます。
AIU TOPICS「私のオススメ授業紹介」シリーズでは、実際に授業を履修した学生から聞いた、生の声をご紹介しています。
人類は有史以来、言語やコミュニケーション手段を発達させながら多様な文化を育んできました。一方で近年はデジタルテクノロジーやAI、ビックデータ等、各種技術の飛躍的な発展が私たちの生活や社会に大きな変化をもたらしています。本領域では、文化や文学、哲学といった生きることの意味や価値を追求する人文科学と、私たちの現代社会に急速に浸透しつつあるAIや最先端技術を同じ土俵で学修します。分野の違うこれらの科目を接続させながら学ぶことにより、ますます発展するであろう各種技術が私たちの日常生活、政治、経済に及ぼす影響を多角的な視点で分析し、そして、それらをどのように活用してこれからの社会を創造していくのかを洞察する力を身につけます。
教養専門科目群の科目一覧はこちらからご覧いただけます。
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※青字で示した科目は教養基盤科目群と教養専門科目群の両方を満たす科目です。
DGT330 人工知能と人類
ゲームから自動車の運転、癌の診断から犯罪者の有罪判決まで、AI(人工知能)は人々の日常生活や社会でますます重要な役割を担いつつあります。 この科目では、AIの情勢と進化、そしてAIがもたらす影響を探ります。「インテリジェンス」とは何かについての哲学的思想に関する文献を読み、考え、議論することから始め、知的活動を実現しうるテクノロジーの検証、そしてこの分野のさらなる進歩への最新アプローチや課題について学びます。
ENG175 コミュニケーションと演劇
コミュニケーションには言語要素と非言語要素が必要です。コミュニケーションと演劇では体験的学習法を用いて環境、社会、文化、言語、デジタルの視点からグローバルなテーマを取り扱います。演劇を体験することによりグローバル市民について学ぶとともに創造的なタスクに協力して取り組むことで、効果的なコミュニケーションが取れる人材を目指します。英語でのコミュニケーションにて、自然に堂々と対応できるスキルを身につけます。
AIU TOPICS「私のオススメ授業紹介」シリーズでは、実際に授業を履修した学生から聞いた、生の声をご紹介しています。
総合セミナー Capstone Seminar
自発的に行動し、AIUでの学びを通じて獲得した知識とスキルを統合しながら、総仕上げのプロジェクトを完成させます。
グローバルリーダーが備えるべき資質として、独自のカリキュラムによる統合知の強化と同じくらいに国際教養大学が重視しているのが、人間力を育むことです。
人類が現在直面している諸課題は、どれも個人の知識のみで解決できるものではありません。いかに多くの共感・協力を得て、チームとして力を発揮できるかが、課題に向き合った時の成功のカギとなります。倫理観や自尊心、貢献の精神、忍耐力、社会性、自律性、そして多様性の理解と受容といった、グローバルリーダーとして備えるべき個人の人間的な資質を、国際教養大学では「人間力」と定義して、キャンパス内外での様々な取り組みや実践の場を通して学生の人間力を育みます。
世界に広がる200以上の提携大学などからの留学生が年間200名以上学んでいる国際教養大学のキャンパスは、「世界の縮図」ともいえる多文化共生空間を形成しています。学生たちは日々の授業はもちろんのこと、キャンパス内の学生寮・学生宿舎での生活や課外活動など、あらゆる面で多様な文化や価値観に触れ、理解し、ともに生きることを体感します。
テーマ別ハウスによる24時間リベラルアーツ教育
特定のテーマのもと集まった日本人学生と留学生とがハウス(学生宿舎)で1学期間の共同生活を行い、それぞれのテーマに基づいた活動に取り組んでいます。
クラブ活動などの学生活動への積極的な参加は、充実した学生生活につながることはもちろん、人間関係や組織・社会への適応力も養います。好奇心旺盛で行動力のある学生が集まる国際教養大学では数多くの学生団体が設立されており、日本全国、世界各国・地域から集まった学生たちが日々、意欲的に活動し、学年や国籍の垣根を越えて交流を深めています。
1年間の留学を通じて国際教養大学の学生が得るのは、海外の一流大学での学びだけではありません。1つの提携大学に同時派遣されるのは基本的に1名であり、多い場合でも3名程度ですので、派遣された学生は授業だけでなく、日々の生活すべてを自分で切り拓いていくことになります。すべての学生が、世界各国の未来を担う優秀な若者たちとともに多彩な価値観に触れながら学び、生活し、そこから新しい理解が生まれる過程で、自分の国や自分自身を見つめ直し深く考える機会を得るのです。
国際教養大学では、ASEAN地域の提携校との国際協働PBL(Project-Based Learning:課題解決型科目)を実施しています。本学の学生と提携校の学生が一緒になって各地域の様々な課題に向き合います。異文化体験・交流を経ながら、文献資料や収集したデータの多角的分析に基づく考察力や課題に対する解決力を養うとともに、コミュニケーション能力や共同作業能力を身につける取り組みです。