国際教養大学に入学すると最初に英語集中プログラム(EAP)でアカデミック・イングリッシュを学びます。本学や留学先の大学において、英語で行われる講義を理解し、自らの考えを発信して、論文をまとめるなど、学問を深めていくために必要な英語力を修得します。
国際教養大学では学位取得のための授業はすべて英語で行われることから、高いレベルの英語運用能力が求められます。英語集中プログラム(EAP)は、入学後に学生が経験する最初のプログラムであり、本学での学びが学生にとっての成功体験となるための重要な段階であると考えています。EAPプログラムの段階における目標は、1)大学レベルのリベラルアーツ科目を履修するのに十分な学術的な英語運用能力を身につけること、2)多文化が共生する本学の環境を最大限に生かして、グローバルな視点を身につけることです。
こうした高い目標を達成するために、学生はEAPの講師陣の指導のもと、論文作成、プレゼンテーション、文献の読解と分析などの実践的な手法を学びます。国際色豊かな学生コミュニティの一員として、言語的にも文化的にも優れた能力を発揮していく術を身につけます。
※ここでは、教授からの英文メッセージの日本語訳を掲載しています。
パトリック・ドーティ Dr. Patrick DOUGHERTY
学部長/英語集中プログラム・外国語教育代表
能動的学修センター長/教授
入学時の学生の英語能力は一様ではありません。そのため、新入生は入学後すぐ、授業が始まる前に学術的な英語力を測るテスト(TOEFL ITP® TEST)を受けます。EAPでは、このテストの結果を目安に3つのレベル(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)にクラスを分けて、個々の学生の力に合った教授法により効率よく力を伸ばしていきます。
Ⅲより高いレベルの英語能力を持ち、一定の条件を満たした新入生は、EAPⅢの履修を免除され、代わりに高校から大学教育への“橋渡し”となる導入教育「EAPブリッジプログラム」で、本学の教養教育で必要となる学習スキルを修得しながら、基礎科目群の特定の科目を履修します。
EAPの進級・修了には、TOEFL® TESTのスコア、各クラスの出席や成績など定められた要件を満たす必要があります。
授業は、各レベルともWriting、Reading、Listening & Speakingのコースを中心に構成されており、外国人を中心とした教員の指導のもと、学術的な題材を扱いながら、この4技能を伸ばしていきます。人文科学、自然科学、社会科学など幅広いテーマの読解や作文、また、ニュース・新聞などのメディアの資料を使い、時事問題についてのプレゼンテーションや議論など、内容も重視して実践的に学びます。EAPⅡ・Ⅲの学生は、EAPの他に基礎科目群から1~2科目を履修でき、EAPで学術英語力を修得しながら「英語で学ぶ」ステージに段階的に入ることができます。
EAPを修了する頃には、講義を聴く、ノートをとる、内容を理解してそれをもとに自分で考える、自分が考えたことを発表する、討論する、レポートや論文を作成するなど、大学で学ぶために必要なことが英語でできるようになります。「英語で学ぶ」準備が整い、次のステージである「基礎科目群/教養基盤科目群」の履修へと進み、専門領域の学修に備えます。
EAPのカリキュラムには授業の補足として「自主言語学修」が含まれています。例えば、ディスカッションで使用する教材の準備や、授業外に週3時間以上英語で多読することが求められます。このような課題に能動的に取り組むためのサポートとして、言語異文化学修センター(LDIC)では、学生が自主的かつ活発に言語学修を進めるために必要な教材や設備を提供しています。さらに、授業の一環として行われる「自己学修プロジェクト」を通し、自分自身の学修に責任を持つ姿勢を身につけ、英語のスキルアップと同時に、言語学修への理解を深めます。この経験は、「教養基盤科目群」で選択する英語以外の外国語科目や留学先の言語の学修など、自主的かつ効果的にLDICを活用し、学びを継続する能動的言語学修者になることへとつながります。
川上 夏海 Natsumi KAWAKAMI (長野県/2021年入学)
AIUが掲げるリベラルアーツとグローバルな生活環境なら、自分の学びたいことを多方面から追求することができると思い志望しました。EAPの授業は、高校の英語の授業と比べてアウトプットの機会が格段に増えます。自分は何を伝えたいのかを軸に、ディスカッションを重ねることで、相手の意見を尊重しながら自分の意見を伝えられる力がつきました。一番の成長は、物事をポジティブに捉えられるようになったこと。失敗しても落ち込んでいる時間はありませんし、個性的でチャレンジ精神に溢れるAIUの学生に刺激を受けて、私もより頑張ろうという意欲が湧いてくるようになりました。留学先ではマネジメントやマーケティングを学んで、将来は日本を訪れる外国人観光客に温かいサービスを提供できる仕事に就けたらと考えています。AIUでの学びを通じて視野を広げ、日本と海外の架け橋になるという夢を叶えたいです。
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HAPPY PEOPLE in Akita (HAPPLE)という留学生向けの秋田観光ツアーを運営するクラブに所属しています。現在は留学生を含めたAIU生向けの観光旅行誌を作成しています。実際に部員たちが現地に赴き、各自がおすすめの観光スポットや飲食店などを紹介していく予定です。留学生の視点から観光地を見てみることで、それまで感じることのなかった新たな発見や日本の良さに気づく貴重な経験ができています。