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~インタビュー~佐藤健公教授
今回は4月から着任した教職課程長の佐藤健公(けんこう)教授にお話を伺いました。先生は、38年間の教師生活のうち、35年間、高校の現場で過ごされ、秋田県内の高校延べ8校で生徒と向き合ってきたそうです。
外国語に興味を持ったきっかけはなんでしたか。
もともと日本語と違う音や文字でどうやって意思疎通を図っているのかということに関心がありました。高校時代は外語部という部活に入り、英語以外の外国語にも触れました。部室内では日本語を話したら罰金10円というルールがあったり、夏休みのキャンプの3日間は英語だけで過ごすといったルールを自分たちで作ったり、ひと味違う環境でした。
大学に入った当時、同級生には浪人して入学した学生が多かったのですが、現役で入学した私とは、人間の厚みや深みが全く違うことに衝撃を受けました。彼らは山にこもって本を読んで過ごすなど、自分を見つめる様々な体験をしてから大学に入ってきたのです。自分には何か取り柄らしきものがないかと考えたら、英語でした。大学では先生が厳しく、「少人数」で学ぶことができました。ほかにもギリシア語やラテン語など多くの言語を学ぶことができ、充実していました。 その点、環境はAIUとも似ている部分がありますよね。
AIUに来る前は、どんなことをされていましたか。
講師から教諭、学年主任、進路指導主事等から教頭・校長と、高校の業務に広く携わってきました。また、県教育委員会での3年間は、教育現場の在るべき姿や、現場がいかに楽しいものであるかを再認識する機会にもなりました。
校長になってからも、1年間で全校生徒600名と面談をしたり、朝の授業前に40分間、「朝からkenkoh講座」と称して英語の集中講座を担当したりしていました。先生たちから無駄な仕事をカットして、生徒のために有効に使える時間を捻出する方法について、いつも考えていました。
休日はどんなふうに過ごしていますか。
家の裏に、花壇と2坪ほどの畑を作りました。盆に孫が遊びに来たときに食べられるよう、夏野菜を中心に栽培しています。土や草をいじっていると気持ちが落ち着いてきますね。家のビワの木から採った葉でビワ茶を作ったり、ブルーベリーを収穫してジャムを作ったりもします。 最近はパンを焼いています。レーズンやかぼちゃ、ライ麦パンなど、いろいろと粉と具の配合を調整して試行錯誤の連続です。 高校に勤務していた時もジョギングやウォーキングをしていましたが、最近、週に2回ほどのスイミングを始めました。AIUに来てからの2カ月で体重を5kgほど落としたところ、随分体が軽くなったと感じます。ベストの体重まであと少しなので頑張ります。
AIUの学生の印象をお聞かせください。
様々な背景を持った学生が集まっている分、多くの言語と違った価値観に触れる機会が近くにあるというのは、とても恵まれた環境です。私が担当する授業は遅い時間に開講していますが、AIUの学生はただでさえ課題が多く勉強が大変なのに、夜の8時頃でも目をキラキラさせて挙手し、発言する姿を見ると、本当にパワーがあるなあと感心しています。私も負けずに良い講義を提供するよう精を出します。
教員を目指す学生にアドバイスはありますか。
高校生は、悩みがあっても自らすすんで教員に悩みを打ち明けたりしないので、いつもそばにいってセンサーを駆使して感じ取る技術が教員には求められます。いつもまめに声をかけていると、何かが違うと感じることがあります。あとは生徒一人ひとりにあった声かけを通して、自信を持たせていくのが教員の役目ではないでしょうか。
最後に、学生へメッセージをお願いします。
今しかできないことを、妥協せず、徹底してやってください。そして同時に、新聞等で自分の周りや世の中で起きていることにアンテナを張って、考える習慣を身に付けてください。また、学生時代に多くの本に触れて、古今東西の「知性」に当たってほしいと思います。