私の留学レポート：韓国・梨花女子大学 〜魚屋 結香さん（1）〜

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200ある海外提携大学の中から留学先を選択します。この「私の留学レポート」は、今まさに留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自身の言葉でレポートしてもらう企画です。

今回は韓国に留学中の魚屋 結香（うおや ゆいか）さんのレポートをご紹介します。

皆さんこんにちは！グローバル・スタディズ課程の魚屋結香です。2019年春入学で、2021年9月から韓国にある梨花（イファ）女子大学に留学中です。出身は福岡県で、長期で留学するのは今回が初めてです。

高校時代からの憧れていた留学先へ

韓国に留学することを決めたのは、AIUの韓国語の授業で習得した韓国語のスキルを活かしたかったからです。また、アカデミックな理由ではありませんが、K-POPの長年のファンというのも理由の一つです。実際、韓国語を勉強し始めたのも自分の好きな人たちの言葉を100％理解したい！という気持ちからでした。

現在留学中の梨花女子大学については高校生の時から知っていました。一時期、舞踊学部に進むことも考えていたので、梨花女子大学舞踊学部のパフォーマンス動画を見つけてから、憧れの大学の一つでした。

多彩な学問分野を、英語と韓国語で

留学してから最初の学期は3つの授業を英語で、2つの授業を韓国語で受講しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、私が受講した授業は全てオンラインで行われました。またAIUに比べて規模の大きい大学なのでAIUのようにディスカッション中心ではなく講義を聞くだけの授業がほとんどでした。最も受講したいと思っていた環境汚染に関する授業と「舞踊の理解」という授業は韓国語で、消費者行動、政治と文化、国際関係に関する授業は英語で受講しました。

私はこのように様々な分野の授業を受けましたが、全く繋がりが無いように見える分野同士の関連性を発見できたり、一つの授業で勉強したことが別の授業の時に活用できたりすることが多々ありました。また、韓国語で授業を受けるのは初めてでしたが、幸いにも事前に録画されているビデオを視聴する形の授業だったので、わからない単語等があれば見返して調べることができました。AIUの韓国語演習実践（韓国語の最上級クラス）の授業でアカデミックなレベルに対応できる語彙力や表現を身につけることができていたので、それらが韓国語でレポートやエッセイ式のテストを受ける時に役立ちました。

授業やテスト対策として韓国語の教科書を読んだりすることも、韓国語を言語の授業で習う時と比べてより多くの、そしてより専門的な単語を学習できる機会になりました。英語で開講されている授業で感じたのは、韓国人学生たちの英語の能力がとても高いことです。彼女たちの姿に私も刺激を受けました。

やるなら今しかない！

韓国に着いてから隔離先のホテルまでタクシーで送ってもらったのですが、私と一緒に乗っていたのがアメリカからの留学生ともう一人の日本からの留学生でした。運転手さんは韓国の方で、私たちにも韓国語で話しかけてくださったのですが、他の二人は韓国語を聞き取れていない状態でした。私も全てを理解できてはいませんでしたが、運転手さんが言ったことを英語と日本語に通訳して、会話の手助けができました。その瞬間、これまで勉強してきた甲斐があったなということと、本当に韓国に来たんだなというのを実感しました。実は韓国に来るまでは期待より不安の方が大きかったのですが、この出来事のおかげで少し自分に自信が持て、韓国での生活がより楽しみになりました。

私は何をやるにしてもやる前に心配をしてしまい、何かと理由をつけて結局やらずじまいになりがちでした。でも一年間の留学という限られた時間の中で「やるなら今しかない！」の精神でいろんなことに挑戦していきたいです。コロナ禍での留学は時間だけでなく行動の制限も多く、したくてもできないことが多い状況です。その中で自分のしたいことをすることができる環境に感謝して、後悔無く帰国できるように日々行動していきます。

こんな経験にはご注意！？

留学のアドバイスや注意点として書かれているのをあまり見たことがないですが、私が個人的に事前に知っておきたかった情報を共有します。梨花女子大学はミッション系の大学なこともあり、キャンパス内を歩いていても宗教勧誘目的で話しかけられることがよくあります。また街中でも人に話しかけられたと思ったら宗教勧誘だったなんて経験も何度もありました。日本でもそのようなことはあるそうですが、外国でそのような経験をするのはより怖さが増すと思います。どんなに親切で優しそうに見える人たちでも、慎重に判断して断ったり逃げたりする勇気を持つことも大切です。

国際センターから

AIUで英語で様々な科目を勉強しつつ、韓国語の能力も十分に備わっての留学は充実度が増しますね。韓国はクリスチャンが人口の3割を越えますし、仏教のお坊さんや尼さんも街中でよく見かける信仰心も厚いお国柄。親切からの声掛けか、そうではないものかを見極める目も養わなくてはいけないですね。