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私のオススメ授業紹介:文化人類学(伊藤 志帆さん)

国際教養大学の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。

また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。

この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。

今回は伊藤 志帆(いとう しほ)さんのオススメ授業をご紹介します。

みなさん、こんにちは!そして初めまして!グローバル・スタディズ課程の伊藤 志帆です。2021年春入学で、現在2年次です。今回は、自分の今までの生活と価値観を見直すきっかけになった、文化人類学の授業をご紹介したいと思います!

科目情報

  • ANT150 文化人類学
  • 教員:大森 久子 准教授
  • 単位数:3単位
伊藤志帆さんの写真
伊藤 志帆さん

シラバスの内容に惹かれて履修を決意!

この科目を選んだ理由は、漠然と「文化について学んでみたい」という気持ちがあったからです。文化人類学について事前に知識があったわけではありませんが、シラバスの「By critically investigating a taken-for-granted institution such as kinship, students will be exposed to diverse ways in which humanity organizes our lives.(親族関係のような当たり前の制度を批判的に調査することで、人類が生活を組織化する多様な方法に触れることができます。)」
という一文を見て、「自分の生活の当たり前を見直してみる、しかも学術的な側面から分析してみる、のはなんとも興味深い!」と感じ履修を決めました。(授業を選ぶ際にいろいろな科目のシラバスを見比べてみるのも面白いですよ!)

この授業では、テキストを読み進めながら、「文化人類学は何なのか」「文化人類学者がどのように研究をしているのか」を学びます。テキストから学ぶだけではなく、時にはみんなでドキュメンタリーを観たり、テーマごとにグループに分かれ、プレゼンテーションを行ったりもします。私のグループは母系社会として知られる中国のモソ族についてプレゼンテーションを行い、その文化に関連した話し合いをクラス全体で行いました。

モソ族についてのプレゼンテーションのスクリーンショット
中国のモソ族について、授業内でプレゼンテーションをしました

オススメポイント

ディスカッションの機会が多い!

この科目ではディスカッションの機会がたくさんあります。学生それぞれが触れてきた文化について話し合い、同じ日本という国で育っていても、それぞれが経験してきた文化に大きな違いがあることに改めて気づかされたり、逆に海外の文化と日本の文化との共通点を発見したりして、一つひとつの気づきがすごく興味深かったのを覚えています。

中でも印象深かったのが、とある留学生が、自分の国にも桃太郎に似た話があると教えてくれたことです。詳しい起源まではわかりませんが、それでもお互いの文化の共通点を見つけることができたのはとても嬉しかったです。

教授がどんな意見に対してもopen minded!

大森先生は授業中、どんな意見に対しても最後まで目を見て真剣に聞いてくださいます。大森先生の授業だからこそ、色々な学生が色々な視点からの意見を共有しやすい雰囲気があるのだと強く感じました。また、先生は学生の質問に対して、とても丁寧に対応してくださいます。ある日の授業後、気になった点があったので、先生に口頭で質問をすると、後からメールでとても丁寧に返信をしてくださったことがありました。このやり取りを経て、もっともっと授業に積極的に参加したいと思いましたし、「色々な質問を投げかけてみたい!」と科目を勉強するモチベーションが高まりました。それからは授業のことだけでなくいろいろな話を大森先生とするようになり、授業終わりの休み時間には、今後の留学先の相談にも乗ってくださいました。今学期は先生の授業を履修していませんが、それでも廊下で私を見かけると「元気に頑張ってる?」と声を掛けてくださる優しい先生です。

自分の生活の当たり前を見直す機会になる

先にご紹介したシラバスの一文にもありましたが、この授業では「文化とは何か」を考えることで、自分が今まで触れてきた文化を見直すことができます。授業での学びを通じて、改めて自分が経験してきたこと、またそれを通じて得た価値観を「当たり前」だと捉えてはいけないと感じました。誰もが違う経験をして、違った価値観を持っていることが当たり前なのです。今後、仮に文化の違いで他人と衝突することがあっても「お互い違った経験をしてきているのだから違う意見を持つことはしょうがない。お互いが理解しあって譲歩できるポイントを探そう。」という気持ちを忘れたくないな、と感じました。

AIUに所属するすべての学生にオススメ!

この授業は、AIUに所属するすべての学生に履修を勧めたいです。多様性を重んじ、色々なバックグラウンドを持つ人が共生するAIUという環境に身を置くすべての学生が、この授業を通じて自分の価値観を今一度見直してみることはとても大きな意味を持つと思います。