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私の留学レポート:アメリカ・オレゴン州立大学 〜神野 夏妃さん(3)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。この「私の留学レポート」は、今まさに留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自分の言葉でレポートしてもらう企画です。

今回は、アメリカに留学中の神野 夏妃(じんの なつき)さんのレポート最終回をご紹介します。

アメリカンフットボールの試合会場で撮影した友人との写真
アメリカンフットボールの試合会場にて友人と記念撮影

ホームイベントを大切にする文化に触れて

アメリカでは秋になるとたくさんの行事があり、その中で特にハロウィンとサンクスギビングが印象に残っています。私はハロウィンを日本で祝ったことはなく、幼い頃に友だちと仮装をしたことがあるくらいでした。しかしアメリカでは皆で盛大に祝う雰囲気で、週末は仮装パーティーを開くなど様々なイベントがあります。友だちに「衣装を2セットは用意するよ」と言われ驚きました。また、カボチャのランタン作りでは、畑での収穫からカボチャの中をくりぬきランタンを灯すところまで初めて経験しました。

ハロウィンイベントで作ったカボチャのランタン
様々な表情のカボチャのランタンをつくりました

サンクスギビングはアメリカでとても大きな祝日で、毎年11月の第4木曜日と決まっています。多くの人が地元に帰省して家族と過ごし、七面鳥やマッシュポテトなどの伝統的な夕食を食べるそうです。大学の授業も、帰省する学生を考慮して水曜日から時間割が変更になったり、課題が減らされたりという対応が取られました。日本では祝日を強く意識することはないため、学校が学生の動きを考慮し家族との時間を優先しているのが印象的でした。私も、友人から家族と親族が集まるサンクスギビングに招かれアメリカらしい経験ができました。

サンクスギビングのホームパーティーで食卓を囲む写真
サンクスギビングでは、友人たちと豪華な食卓を囲みました!

思い切って飛び込む勇気をもって

日本から出たのが初めての私にとって、この一年は新しい経験と挑戦づくしでした。この留学で大きく成長できたと感じる点は主体的に行動できるようになったことと環境への適応力です。同じ時期に同じ大学に留学したAIU生がいなかったため、初めは慣れない土地で頼れる人や知り合いが誰もいない状態でした。そのため、普段は消極的で、思い切って何かに飛び込むことが苦手だった私でも、自分からクラスの人や同じ寮の人に声を掛けたり、イベントへ積極的に参加したりすることで交流の輪を広げていきました。ボランティアや旅行をして未知の場所を訪れる中でも、受け身ではなく自ら動くことの大切さを実感し、それによって、充実した一年間を過ごすことができたと思います。

アメリカンフットボールの会場を観客席から映した写真
アメリカンフットボールの試合を初めて観戦しました!

日本の良さを伝えられる人でありたい

見知らぬ土地に行き、その国の文化に触れ人々と交流することは、学ぶことが多く、とても刺激的で新鮮だということを留学を通じて強く感じました。今度は留学中に出会った友人たちのいる国を巡り、現地の空気を感じてみたいです。そこで、より多くの人々と交流をするために、英語を学び続けるのはもちろんのこと、他の外国語も学修していきたいと考えています。また、留学中はたくさんの人が日本に興味を持ってくれているのを感じたので、今回出会った友人たちに日本を訪れてもらいたいです。実際に昨年末にすでに一人の友人が日本を訪れてくれたのですが、私が東京や京都といった日本の観光地に詳しくないため、私自身も観光客になってしまいました。今後さらに何人かの友人が訪日の計画を立ててくれています。そのため、自分自身がもっと日本について学び、日本の良さを伝えられるようになるのも今後の目標です。

夕暮れの美しいキャンパス風景の写真

人との出会いに恵まれた留学生活

初めての海外経験、1年間の留学、またコロナ禍で世界情勢が不安定ということで、出発する前は大きな不安がありました。しかし、自分の殻を破る経験を通して、以前の自分より一回り大きく成長することができました。そして、留学が終わっても、そこで得たかけがえのない経験は今後の人生にも大きな影響を与えるだろうと感じています。人との出会いに恵まれ、世界各国に連絡を取り続けられる友人ができたのも大きな収穫です。
グローバル・スタディズ領域を選択した私は留学の最終学期に卒論の前準備でもあるエッセイを書かなければならず、また就職活動も時差がある中で途中から同時並行で進める必要がありました。留学には苦しい時もあると思いますが、すべてを楽しんで全力で取り組むことで新しい自分が見えてくると思います。
最後に、国際センターの方々や家族、留学先の人々のおかげで無事に留学を終えられたことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

夕日が差し込む海岸写真
私の住む街から車で1時間!オレゴンの心休まる海岸。

国際センターから一言

留学生活では、日々の授業や課題に追われる一方で、異文化体験や交友の輪を世界規模に広げる機会にもなったかと思います。今回の留学で苦楽をともにした、世界中の仲間との「再会」も楽しみですね。留学から得た学びをもとに、これからの新たな挑戦や目標の実現に向けて、引き続き応援しております。

国際教養大学では日本への入国制限の緩和に合わせて2022年5月以降、留学生の受け入れを再開しています。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。