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私の留学レポート:ポーランド・ウッチ大学〜河野  達也さん(3)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。

今回は、ポーランドに留学した河野  達也(かわの たつや)さんのレポート最終回をご紹介します。

河野  達也さんの写真
河野  達也さん

「留学」を目標で終わらせず、これからも視野を広げていきたい

今回の留学を通して「留学」という言葉の概念が大きく変わりました。我々日本人には、「留学」とは相当やる気があって、英語・学問が好きな人がするものという固定概念のようなものがあるように感じます。私もそのように捉えていましたし、周囲に留学に行くことを伝えると、人生を変える大冒険に送り出すかのごとく激励をもらったのを覚えています。しかし、1年間の留学を終えた今、「留学」はあくまでも過程の出来事にすぎず、そこで感じたことや学んだことを生かして次にどんな行動ができるのかが問われていると感じます。「留学することそれ自体が目標とならないように」と恩師から言われたことが今でも印象に残っています。「留学」が人生一番の大冒険であることには変わりないですが、その事だけで周囲に驕る人間にならないよう、学んだことを生かしてこれからも視野を広げていきたいと思えるようになりました。

アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の写真
人類の「負の遺産」とも呼ばれるアウシュビッツを見学しました。こちらはビルケナウ強制収容所の写真です。
アウシュビッツの門を見学する人々の写真
アウシュビッツの門です。『ARBEIT MACHT FREI』(働けば自由になれる)という文字が掲げられています。

将来を見据えた留学準備をしておくことの重要性

留学を終え、今振り返ると、もう少し頑張りたかったことがいくつか思い出されます。その中でも、留学の出発時期に関しては、もっと早くから準備していればもう半年早くポーランドへ出発するという選択肢もありましたが、教職課程の履修の関係で卒業時期が遅れることは確定していたこともあり、留学時期が半年遅れることの影響を深く考えていませんでした。その半年の遅れにより、海外留学中にオンラインで日本の就職活動をする時期が重なり、とても忙しく、生活リズムが破綻しそうになりました(泣)。

事前に留学と、それ以外のイベントの重なる時期を調べて早めに準備するべきでした。転ばぬ先の杖とはよく言いますが、前もって色々調べて把握しておくことの重要性を再認識しました。留学先からの就活という好ましくない状況ではありましたが、逆に面接官に自分を覚えてもらえたことで良い結果に繋がったことが不幸中の幸いでした。今後は、将来を見据えた動きができる自分になることが課題の一つになりました。

ポーランドの街並みの写真
ポーランドの街並みです。秋田と同様に、ポーランドでも雪が降ります。
ポーランドのクリスマスマーケットの写真
ポーランドのクリスマスマーケットに行きました。多くの人で賑わっていました!

ウッチ大学への留学を振り返って見つけた、次に私が挑戦したいこと

国際教養大学と比較すると、私が行ったウッチ大学は留学生の受入人数が桁違いでした。そのために大型の寮も完備されており、受入体制がしっかり整っている印象です。留学生を対象とした現地の学生による留学支援団体も存在し、私もこの団体の恩恵を受けました。支援を希望する全留学生に、メンターが一人ずつつき、履修や日常生活などで困っていると相談に乗ってくれるというもので、私も相当お世話になりました。そのメンターを通じて、色んなイベントに参加したり、メンターの誕生日会に招待してもらったりと多彩な経験への道を広げてもらいました。彼らは「アルバイト感覚」と言っていましたが、留学生として現地で右往左往していた身として、これほど助かるサービスはないと実感しました。今後日本に留学してくる学生や、働きに来ている海外の方と接する機会があったら、ポーランドで出会ったメンターのように、彼らのよき友としてサポートできるようになりたいと思い、これが次に私が挑戦したいことの1つになりました。

パリオリンピックに向け準備が進められている建物の写真
フランスへ訪れたときの写真。パリオリンピックに向けて準備中でした!

これから留学を考えている学生の皆さんへ

「留学」は、言ってしまえば小学校の頃の遠足や校外学習と本質は同じで、少しワクワクする程度の行事と考えてください!「留学」を人生を変える最大級のビックイベントと考えてしまうと、どうしても留学に対して心理的な壁を感じて、英語力、現地での生活等が心配になるものですが、遠足気分で気軽に飛び込んでいいものだと思います。準備や適度の緊張感はもちろん大事ですが、「行ってみればどうにかなるもの」と思えばこそ留学にチャレンジできるかもしれません。留学する事それ自体が目的とならないように、留学先で何を学び、その後の人生でどう活用できるかにかかっています!未来の留学生の皆さんを応援しています!

帰国後一番に食べた牛丼
日本に帰国後、大好きな牛丼を一番に食べました!!

国際センターから一言

「帰ったら大好きな牛丼を一番に食べます!」との宣言も無事実現されたようで、写真から嬉しさが伝わってきます。

留学終了後、そこで感じたこと、経験したことをいかにしてその後の人生の糧にするのかというのは非常に大切な視点ですね。河野さんのおっしゃるとおり、かと言って構えすぎずに、思い切ってチャレンジする柔軟さを持つことで、体験できる領域も広がり、新しい価値観や自信につながるのかもしれません。今後の河野さんの新たなチャレンジを国際センター一同、応援しています。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。