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私の留学レポート:オーストラリア・マッコーリー大学〜東 翔太郎さん(1)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。


今回は、オーストラリアに留学中の東 翔太郎(ひがし しょうたろう)さんのレポート第1弾をご紹介します。

皆さん、こんにちは!2022年春入学の東 翔太郎です。鹿児島県出身で現在、グローバル・スタディズ領域に所属しています。今回を含めて3回の留学レポートを皆さんにお届けしますので、どうぞよろしくお願いします!

東 翔太郎さんの写真
東 翔太郎さん(シドニー港にて)

恵まれた環境で留学スタート!

私は現在、オーストラリアのシドニーにあるマッコーリー大学に留学しています。マッコーリー大学は、留学生1万人以上を含む4万人ほどの学生が在籍している公立大学です。有名なシドニーのオペラハウスやビーチから1時間ほど離れた場所に位置していますが、公共交通機関が充実しているため、多くの学生に人気の大学です。想像以上に自然に囲まれており、天気も晴れの日が多く、気候的にも過ごしやすいので留学先としてある程度長く過ごす場所としては、とてもいい所です。

シドニー①
ビーチはとてもきれいで多くの人が休日などに訪れています。

マッコーリー大学を選んだ理由

私がマッコーリー大学を留学先に選んだ理由は、大きく二つあります。一つ目は、オーストラリアのシドニーにあるという点です。鹿児島生まれのため、寒さに弱い私は暖かく自然豊かな国を留学先の候補として考えていました。ワーキングホリデーに興味のあった私にとって、オーストラリアは、将来のワーキングホリデーの候補地としても、かなり魅力的でした。二つ目は、国際協力の分野に関する授業が充実している点です。国際関係や社会学など、様々な分野の授業が開講されています。興味のある専門分野に加えて、総合的な知識を身につけることができると思い、マッコーリー大学に留学したいと考えました。

現地で学びを深める

マッコーリー大学では、国際協力に関連する科目や宗教、社会学などを学んでいます。オーストラリアには多くの移民が住んでいますが、移民を受け入れることの良い側面だけでなく、時に問題点にも焦点を当て、各国の学生とともに移民政策について議論することもあります。さまざまな宗教を信じる人たちが共生するオーストラリアで、宗教に関する学びも深めています。

ラマダン期間の屋台の様子
ラマダンの期間にはイスラム教徒の方たちが多く訪れる屋台に行きました。

多民族国家の楽しさと危うさ

現在、私は大学付近の寮に住んでいます。そこではアジアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、アフリカなど多くの国の学生が生活を共にしています。オーストラリアには、チャイナタウンやベトナム人街など、特色のある地域が多くあります。同じ寮に住む中国人やベトナム人の友人に案内してもらうことで、彼らの文化をより直接的に体験することができています。インド人の友人が、インド料理店で開いた誕生日会に招いてくれた際には、インドのストリートフードの食べ方について教わりながら、インド料理を楽しむことができました。

チャイナタウンにて
友人と訪れたチャイナタウン。多くの美味しい中華料理店が並んでいます!
ベトナム①
ベトナム人の友人と一緒にベトナムタウンに行きました。(写真右手前が東さん)
ベトナム②
ベトナム人の友人から勧められた「フォー(Pho)」です!とても美味しかったです!

このような異文化交流に面白さを感じる一方、最近、過激な宗教思想による刺傷事件が起こり、異文化が共存する危うさも感じました。さまざまな民族、宗教がかかわりを持つオーストラリアでは、特定の思想信条などに対して一部の人が不満、時には敵意を抱いてしまう危険も存在します。個人的には、日本ではなかなか体験することのない、宗教にかかわるコミュニケーションの難しさを、大学の授業や友人との会話を通じて感じたこともあります。「あなたの宗教は何?」と親密になった友人に聞かれ、いままで自身の宗教について深く考えてこなかった私は、回答に困りました。そのような折に「Globalization, Conflict, and Religion」 という授業で、日本の宗教に関するエッセイを書く機会があり、自身の宗教観について実生活でも学業においても深く考えることができました。

道路標識
「RACISM NOT WELCOME(人種差別は歓迎されない)」と書かれており、とても素敵だと感じました。

留学でしか達成できないこと

1年間の留学では、長期間の海外滞在だからこそ体験できることに挑戦してみたいと考えています。その一つとして現在、現地でアルバイトに挑戦しています。もちろん学業が最優先事項ではありますが、大学からバスで20分ほど離れたところにある小さなホテルのハウスキーピングの仕事を得ました。シドニーは移民が多く、職探しも競争率が高くなっています。履歴書を渡しても返事が来ないことが続き、ようやく得た日本食レストランのアルバイトを1日目でクビになったこともありました。円安の影響もあるため、アルバイトも頑張りつつ、勉強や課外活動など、シドニーでの生活すべてを楽しみたいです。

サッカー観戦
友人とサッカー観戦に行きました。会場がかなり大きくて驚きました。
寮の集合写真
寮の集合写真です。多くの学生が自国の国旗を掲げています!

国際センターから一言

留学先選びに迷う学生はとても多いのですが、東さんの場合、天候などの生活環境、将来のキャリア、国の文化背景、国民性など、さまざまな視点からリサーチし、納得のいく留学選びをされたことがよく分かります。一方で、東さんが宗教にかかわるコミュニケーションの難しさを感じたように、十分に準備をしたはずなのに一筋縄ではいかないことも多いと思います。

東さんが書いてくれた「短期留学ではなく1年間の留学でしかできない体験、学び」がどのような形となるのか、今後のレポートも楽しみにしております。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。