お知らせ
【活動報告】ソーシャル・フィールドワークを開催
国際教養大学では、ソーシャル・フィールドワークというコンセプトで、社会課題をより深く、異なる角度から捉えるプログラムを提供しています。
プログラムの第一弾は「社会的弱者」をテーマに2022年1月に講演会、同年6月にフィールドワークを実施しました。
生活困窮やホームレスなどが生じる社会の複雑な要因を解決する事業に取り組んでいる「NPO法人あきた結いネット」理事長の坂下美渉さんを迎え、「困難者をなくそう!社会的弱者への支援および再チャレンジ」というテーマでオンラインで講演をしていただきました。坂下さんからの「社会的弱者とは?」という問いかけに対し、「経済的もしくは身体的に生活が困難な状況にある人」という回答が多かったのですが、 「社会的弱者の方々は必ずしも自分自身のことを弱者と考えているわけではない」 「支援するという行為は無意識にでも上下関係を生み、自己中心的な定義や視点になりがち」 という当事者の視点や現状を知ることで、多角的に物事を見る必要性を学ぶことができました。
講演に参加した学生からの感想は以下のとおりです。
「私は自分の”当たり前”や”普通”で物事を捉えていたんだと痛感しました」 「自分の視野、価値観が広がったと感じています」 「物事の本質を見ることの大切さや自分の価値観だけで判断しないことの大切さも学びました」「自分が持っていた視野や考え方が狭かったんだと知り、考え方ががらりと変わりました」 「これから社会課題に関して考えるきっかけになりました」
当初は1月の講演後すぐに活動現場への視察訪問を予定していましたが、コロナの感染状況を鑑み、半年ほど延期した6月の開催となりました。
訪問当日の午前中は、住む場所もなく頼れる身寄りがいない方、借金や人間関係に悩んでいる方、犯罪を犯して社会復帰を目指す方などが、自立できるまで一時的に住んでいる相談支援付き住宅(シェルター)を訪問しました。そこでは参加学生が3名の入居者に、入居の経緯、シェルターでの生活、これからの計画などをインタビューしました。お話を伺った結果、入居する人は特別な人ではないという印象が強まっていたようです。
午後には一般就労への準備プログラムを提供している就労支援施設と全国の障がい者施設で作られた作品が並ぶセレクトショップ「story cat」を訪問しました。就労施設では施設利用者と参加学生が一緒にDM封入作業を体験し、施設利用者の早くて正確な作業パフォーマンスに圧倒されていました。セレクトショップでは、作品のデザインやコンセプトを楽しみながら友人や自分へのプレゼントを選んでいました。
視察全般を通じて、当初描いていた自らのイメージを覆す経験になりました。
次回は「フードバンク」をテーマにソーシャルフィールドワークを実施する予定です。
このプログラムに関するお問い合わせ
国際教養大学 地域連携チーム E-mail: aiu.collaboration@gl.aiu.ac.jp Tel:018-886-5835