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米国オクラホマ大学で活躍中の修了生 – 三浦もと子さん

7月17日(水)、本学専門職大学院の日本語教育実践領域(Japanese Language Teaching Practices, JLT)では、恒例の海外日本語教育実践報告会が行われました。この報告会は、JLT修了生が、現在携わっている日本語教育の実践現場について、在学生に報告(講演)するもので、JLT生の見聞を広げるために毎年開催しています。

登壇する三浦さんの写真

今回の報告会では、秋田県出身で、本学の国際教養学部を卒業後、JLTに進学・修了した三浦もと子さんが登壇してくれました。三浦さんは現在、米国オクラホマ大学で日本語の専任講師を務めていて、今年4月には同大学のMost Inspiring Faculty(学生団体が選ぶ最も刺激的な教員)に選出されました。

三浦さんは、もともと日本語教員を志望していたのですか?また、なぜ日本語教員になろうとしたのですか。

実はもともとの私の夢は、海外で柔道を教えることでした。高校時代にポーランドの高校生と柔道を練習する機会があり、スポーツを通じて海外の人と交流できることに魅力を感じていました。その後、大学に進学しアメリカでの交換留学を通じて気づいたのが、自分は日本人だというのに日本語をしっかり理解していなかったということでした。留学先で、日本語を勉強している学生に質問をされても、答えられなかったのです。正しいかどうかの判断はできても、その理由を説明できませんでした。その頃から、日本語を勉強したい、お世話になったアメリカに日本語を教えるという形で恩返しがしたい、と考えるようになりました。

自身の経験を話す三浦さんの写真

JLTに進学した決め手のようなものはありましたか?

私が大学を卒業する頃は就職氷河期でした。ただ、国際教養大学の名前が少しずつ世間に認知されてきた頃でもあり、周りからは進学ではなく就職を勧められました。大学院進学と就職で悩んでいた頃、一度大学院のお話を聞きたいと思い訪ねたのが、故杉山朗子先生のオフィスでした。そこでお聞きしたのは、理論を学ぶだけではなく実習にも力を入れ、すぐに働ける日本語教員の養成を目指すJLTのビジョンでした。 経験が無い者はすぐに仕事先が見つからない、という現実を受けてのその方針は大変魅力的で、理にかなっているように感じました。また、終始優しくお話を聞いてくださった先生方の下で学びたいとも思い、進学を決めました。

現在は、オクラホマ大学でどのような仕事をされているのですか?

オクラホマ大学では、専任日本語講師として働いています。基本的には初級と中級のクラスを一学期に3クラス、単位数では13~15単位を担当しています。それぞれの学期で文化的なイベントもあり、その準備や運営にも参加しています。

オクラホマ大学でMost Inspiring Faculty受賞時の記念写真

Most Inspiring Facultyを受賞しての感想や、これからの抱負をお願いします。

受賞を知らせるメールの「Congratulations!」という始まりに、迷惑メールではないかと思ってしまいました(笑)。それくらい、予期していない出来事でした。ちょうどその頃は、自分の仕事のやり方に自信をなくしていたのです。その時できることを一生懸命やっても、物事が思ったとおりにいくとは限りません。理不尽なことも、もちろんあります。もうまっすぐいくのはやめてしまおうか、もっと手っ取り早く効率よく物事をこなしていこうか… そんな風に思っていた矢先の、受賞の知らせでした。授賞式に参加してやっと実感が沸き、辛いことからも大変なことからも逃げ出さなくて良かったと、心から思いました。これからも不器用な私らしく、まっすぐ、学生と一緒に学んでいきたいと思っています。

日本語教員を目指している人に向けたメッセージをひとこと、お願いします。

私はまだまだ経験が浅く、知らないこともたくさんあるのですが、私は日本語教員という仕事に出会えて幸せだと思っています。学生が一生懸命学ぶ姿、成長する過程を目の前で見ていると、疲れなど吹っ飛んでしまいます。そして、外国人を相手にするわけですから、異文化に接し学ぶ機会があるのもこの仕事の特権です。加えて、日本語や日本に関しても、学生の質問や意見から常に刺激を受け学生と一緒に学べるのもとても有難いことだと思います。日本語教員になるという夢が叶いますように。応援しています。

本ウェブサイトでは今後もAIU生やその卒業生の活躍を紹介していきたいと思います。また、JLTではブログFacebookページを通じて日々の活動を紹介していますので、そちらもぜひ、ご覧ください。