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【特別講演会】第2回「COVID-19パンデミック下における米中の戦略的競合」(イアン・イーストン氏)
国際教養大学では、学生・教職員を対象として、「ポスト新型コロナウイルスを見据え、今、考えるべきこと、そしてこれからの社会のあり方」を共通テーマとして、各界を代表する国内外の有識者によるオンライン講演会をシリーズで開催しております。本講演会を通して、新型コロナウイルスが人類にもたらしている影響を多面的に理解し、今後のグローバル社会のあり方を考えてまいります。
第2回は、9月25日(金)、米国シンクタンク機関「Project 2049」のシニア・ディレクターであるイアン・イーストン氏をお迎えし、「US-China Strategic Competition amid the COVID-19 Pandemic」(参考訳:COVID-19パンデミック下における米中の戦略的競合)というテーマでご講演いただきました。
イーストン氏は、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(米国)の国際学分野において学位を取得後、国立経済大学(台湾)の中国研究分野において修士号を取得し、公益財団法人日本国際問題研究所の客員研究員、米海軍分析センターの分析官としてのご経験を経て、現職に就任されました。Project 2049は、米国、中国、日本や台湾に係る防衛問題を研究している機関であり、イーストン氏の研究は、米国やアジアの各種メディアで取り上げられています。
講演会では、コロナ禍における中国の動静や、それらに対するアメリカの対応等について他の研究者の意見等を交えて解説いただいた後、10年後の2030年に世界はどうなっているだろうかという切り口から、ポストコロナ時代における米中競争の影響について掘り下げてお話いただきました。
具体的には、2030年は、米中競争において米国が優勢となった場合の世界、中国が優勢となった場合の世界、米国・中国ともに政策が失敗し戦争が起きてしまう世界、これらの3つのシナリオの内いずれかになる可能性があるとして、それぞれのシナリオにおける世界の予想図や我々の生活への影響について説明いただきました。また、最悪の結果である3つ目の世界が現実にならないようにするためには、今を生きる私たち自身が米中関係により敏感になり、それぞれの考え方を理解することが重要であること、この問題は将来の教育がどのようなものになるのかといった問いも投げかけていること等を語ってくださいました。
質疑応答では、中国に対する米国以外の国々及び国際機関の見方や、環境分野における米中競争について等、学生や教員から多岐にわたる興味深い質問が提示され、イーストン氏の考えを共有いただきました。
講演を通じ、コロナ禍を政治的側面から読み解きながら、ポストコロナ時代をグローバルリーダーとして生き抜いていく本学の学生に対して力強いエールをいただきました。
第1回目の特別講演会の記事は、こちらからご覧いただけます。