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私の留学レポート:オーストラリア・サザンクイーンズランド大学 〜矢尾板 愛美さん(2)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。この「私の留学レポート」は、今まさに留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自分の言葉でレポートしてもらう企画です。

今回は、オーストラリアに留学中の矢尾板 愛美(やおいた まなみ)さんのレポート第2弾をご紹介します。

自分をより深く知ることができる、充実した時間

お揃いのTシャツを着た矢尾板さんと友人3名の写真
いつもお世話になっている友だちへ日本のアニメのTシャツをプレゼントしました。

留学をしてから、将来に対する視野が広がったと感じています。以前は、国内の航空業界に絞って就職先を考えていたのですが、現在は海外で就職することや、大学院への進学なども考えるようになりました。様々な事例をもとに航空業界について学んでいるうちに、より深く学んでみたいと思うようになったのです。特にオーストラリアは世界的にも航空業界が発展しているため、この地に戻り、再び学ぶ道も選択肢の一つとして考えています。
また留学を通して、自分は海外で生活すること、そして多文化な環境にいることが好きなのだと気づかされました。留学先の大学には世界各国から学生が集まってきており、日々の出会いの中で、様々な価値観や考え方の違いに触れる機会があります。そんな環境で学び、生活することは、もちろん楽しいことばかりではありませんが、自分をより深く知れる充実した時間だと感じています。これは半年間のバーチャル留学では得ることが出来なかった経験です。

現地での生活を通して芽生えた変化

夜のストーリーブリッジの写真
夜のストーリーブリッジはとても綺麗でした。

最近は、困ったときに自分ひとりで解決しようとしないで、周りに助けを求められるようになりました。元々、周りに助けを求めるのが得意な方ではなかったため、現在の留学先での生活によって自分の中に芽生えた大きな変化かもしれません。オーストラリアでは、基本的にショッピングモールや公共交通機関は17時頃で終了し、カフェに至ってはほとんどのお店が14時頃に閉まります。そのため、買い物やアルバイトへ行く際は時間を効率的に使えない場合が多いですが、現地の友だちのサポートのおかげで、やりたいことを実現できています。

挑戦せずに終わるよりも、失敗してもいいから挑戦してみること

タスマニアの星空の写真
タスマニアの夜は空が澄んでいて星がくっきりと見えました。

大学のクラブ活動には参加していないものの、学外のレストランでアルバイトをしています。飲食店でのアルバイトの経験がなかったため、お客さんにどのような言葉をかけていいのか分からず戸惑うことが多かったです。最初は自分で使えそうなフレーズを集めたり、イメージで接客の練習をしていましたが、アルバイトを初めて2カ月程度たった今では、だいぶ英語での接客にも慣れて、お客さんとの会話や他のスタッフとの他愛もない会話を楽しみながら働かせてもらっています。
現地での留学期間が5カ月と短く、不採用の可能性があったため挑戦しようか悩みましたが、思い切って挑戦してみてよかったと思っています。新しいことを始めるときは不安がつきものですが、挑戦せずに終わるよりも、失敗してもいいから挑戦してみることの大切さを学びました。

オーストラリアで航空業界が盛んな理由を実感

長距離電車内での矢尾板さんと友人1名の写真
友だちと長距離電車に初めて乗りました。

友人とブリスベンを訪れた帰りに、オーストラリアでは航空路が発達している代わりに、鉄道の発達は都市部のみで利便性に欠けているな、と実感しました。ブリスベンまではキャンパス間を繋ぐ無料シャトルバスと普通列車を乗り継いで2時間半ほどかかります。帰り際に普通列車が止まってしまいシャトルバスに乗り遅れてしまったことがありました。友人の提案で長距離電車を利用することにしたのですが、これは東京-横浜を普通列車で移動しようとしていたのに、突如新幹線に乗らなくてはならない状況になったようなものです(ただしこちらの電車は新幹線のように速くはありません)。東京-横浜なら、他の鉄道会社を考えたり、他の路線を利用するなどして移動することが可能だと思いますが、私の住む地域にはそのような選択肢はなく、唯一の選択肢が新幹線のような長距離電車でした。
オーストラリアは車社会であり、鉄道網はあまり発達していません。航空学の教授から聞いた話ですが、「鉄道網を発達させるには人が少なすぎる、だからみな飛行機を使うのだ」と。確かに、長距離電車を利用している人はとても少なく、電車のサービス自体が複雑で一昔前のもののように感じました。
この経験からオーストラリアで航空業界が盛んな理由がわかったような気がしています。予定どおりにものごとが進まなくてもポジティブに捉え自分のできる工夫をすれば、思いがけず状況が好転することもあるし、効率性や利便性ばかり重視することが決して良いわけではないのだと学びました。この時一緒に旅行していた友だちには感謝しています。

オーストラリアらしさを満喫!

オペラハウスでの写真
シドニーのオペラハウスにて『オペラ座の怪人』を観劇しました。

オーストラリアの大学では、学期半ばにセメスターブレイクと呼ばれる2週間の休みがあり、私はその休みを使ってオーストラリア国内の様々な都市を旅しました。2週間で4都市(アデレード、パース、タスマニア、シドニー)を巡ったため計画を立てるのに苦労しましたが、思い出に残るいい経験になりました。
旅行の目的は色々な都市を巡ることと、様々な劇場でミュージカルを鑑賞することでした。移動経路を考えた上でホテルを予約したり、なるべく費用を抑えて効率的にスケジュールを立てたりするのが難しかったです。パースでは以前お世話になったホストファミリーに再会したり、タスマニアでは極寒の中キャンプをして今までで一番綺麗な星空を見たり、シドニーのオペラハウスで観劇したり、と忘れられない最高の旅になりました。各都市を巡ってみて、それぞれ違う特徴や雰囲気があったため、国内旅行だったものの飽きることなく楽しむことができました。

現地からのちょこっと共有

オーストラリアには春になると注意が必要な鳥がいます。マグパイと呼ばれる鳥で、キャンパスにも多く生息しており、攻撃される危険性があります。私はそのことを知らずにキャンパスを歩いていて数回攻撃されかけたことがありました。春の繁殖期になると特に危険だそうで、オーストラリアを訪れる際は気をつけてください。
また、オーストラリアは日光が非常に強いです。現在は春を迎えたところですが、晴れた日は日差しがとても強くオーストラリアらしさを実感します。帽子やサングラスが必須だとつくづく感じているので、みなさんもオーストラリアを訪れる際は対策をお勧めします。

国際センターから一言

キャンパスから一歩足を踏み出すと、地域コミュニティや日常生活そのものが、新鮮な学びの場として無限に広がっていますよね。そのような生活の中で出会う人々、様々な価値観や考え方の違いに触れることが、ご自身の視野の広がりにもつながっているかと思います。残りの留学生活も応援しています。

国際教養大学ではコロナ禍で2年間、対面での交換留学が実施できませんでしたが、日本の入国制限緩和に合わせて今年5月以降、留学生の受け入れを再開しています。
英語版ウェブサイトでは、そんな留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。オンライン留学の期間も含めて、定期的に更新していますので、ぜひこちらもご覧ください。