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私のオススメ授業紹介:日本映画 Ⅱ(佐藤 希美さん)

国際教養大学の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。

また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。

この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。

今回は佐藤 希美(さとう のぞみ)さんのオススメ授業第2弾をご紹介します。

佐藤 希美さんの写真
佐藤 希美さん

こんにちは!国際教養大学3年生の佐藤 希美です。留学先のサンディエゴ州立大学からお届けします。今回はクリエイティブさピカイチな日本映画と歴史の授業についてお話しします!

科目情報

  • JAS375 日本映画 Ⅱ
  • 教員:ショーン・オライリー 准教授
  • 単位数:3単位

この授業を取ろうとしたきっかけ

AIUには科目コードが「JAS」で始まる、日本文化に関する科目があります。茶道、宗教、秋田学など、留学に行く前に日本のことを学んでおきたいなと思い、タイトルに惹かれてこの日本映画の授業を履修することにしました。

授業内容

金曜日に2コマ分(3時間)使って映画を観て、「どのような撮影方法が使われていた?」「おもしろいカメラワークはあった?」「音楽の効果はどう?」「その映画が制作された時代背景はどうかな?」など、その映画についての分析やディスカッションは翌週の水曜日に行います。そのため、1コマ分他の授業よりも授業時間が長いです。また、自分たちで映画を製作する課題もあったのでその鑑賞会などもありました。

鑑賞した映画一覧

  • 『忠魂義烈 実録忠臣蔵』(1928)
  • 『雄呂血』(1925)
  • 『人情紙風船』(1937)
  • 『陸軍』(1944)
  • 『野火』(1959)
  • 『姿三四郎』(1943)
  • 『宮本武蔵』(1944)
  • 『羅生門』(1950)
  • 『山椒大夫』(1954)
  • 『地獄門』(1953)
  • 『ええじゃないか』(1981)
  • 『黒い雨』(1989)
  • 『たそがれ清兵衛』(2002)
  • 『永遠のゼロ』(2013)
  • 『るろうに剣心』(2012)
  • 『本能寺ホテル』(2017)
  • 『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』(2020)

(英語字幕に日本語音声で鑑賞します。)

オススメポイント

予備知識が要らない

日本映画 Ⅱというタイトルから、背景知識が必要なのでは…なんて思っていましたが、全然そんなことはなく、むしろ自分の知らなかった日本映画にたくさん出会うことができ、とても新鮮でした。少し背伸びして科目コードが300番台(上級科目)の授業に挑戦してみたい1年次と2年次の皆さんにはとてもおすすめです。

映画が観られる

科目名のとおりなのですが、戦前の白黒映画から近年の映画まで幅広い年代の映画が観られちゃいます!歴史に関連したものやメッセージ性の強いものが中心に選ばれているので、自分が普段観る映画としては選ばないような作品に出会えたのがとてもよかったです。

課題がクリエイティブ!

授業で観た映画をオマージュする課題や、自分たちでロケーションにこだわって映画を一から撮るという課題など、実践的でクリエイティブな課題が多かったです。最終課題では創作ストーリーで10分の映画を作りました!AIUの畳ルームには何度お世話になったことか…!寒い海で4時間撮影したこともありました。いい思い出です。

最終課題で製作した映画のスチールカット
最終課題で製作した映画のスチールカット

他の授業とのつながり

同じ学期に履修していた他の授業と学びがリンクする機会がありました。
「SOC290 メディア・リテラシー」という授業では、日本映画の授業で学んだ映画を観るポイント(撮影・編集・演出・音響の4点)が映画やポスターを分析する際に役立ちました。映画は娯楽であり、社会へのメッセージであり芸術でもあるといった映画の持つ様々な可能性について、この2つの授業を通して考えることができました。
「PLS390 アメリカの外交政策」という授業で、核抑止力が題材に取り上げられた時、ちょうど日本映画の授業で『黒い雨』という映画を観ました。『黒い雨』は原爆や原爆の二次被害について取り上げた映画です。「核兵器を持つことは核抑止力として平和に貢献するのかもしれない、でも核兵器を保持した世界を平和と呼んでもいいのだろうか、莫大な被害を及ぼす危険性を秘めているのに…」。外交と映画、全然違う分野につながりを見つけました。アメリカ留学を控えていた時期に日本の原爆の歴史について思考を巡らすことができたのはとても有益だったと感じています。

日本の歴史映画を観て、アメリカ出身の先生からレクチャーを受けて、留学生とディスカッションができる、なかなか変わった授業だと思いますが、映像技術に関しても日本の歴史についても学びがあり、何よりとても楽しいです。皆さんも機会があればぜひ履修してみてください!