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私の留学レポート:台湾・天主教輔仁大学~林 真白さん(1)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生たちのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。

今回は、台湾に留学中の林 真白(はやし ましろ)さんのレポート第1弾をご紹介します。

こんにちは!グローバル・コネクティビティ領域所属の林 真白です。

大阪府出身の2021年春入学で、現在台湾の天主教輔仁大学(Fu Jen Catholic University)に留学中です!

中国語と日本語の書道作品の前で撮影した林さんの写真
大学のバストリップで台中に旅行に行った時に撮った写真です!

留学先大学の紹介

天主教輔仁大学は、中華圏で唯一のカトリック系大学です。私立の総合大学なので、学生数はとても多く、約25,000人の学生が在籍しています。AIUと違い、キャンパス内で顔見知りを見つけることは容易ではありません。輔仁大学は台北市内にあるわけではないですが、大学に直結した地下鉄の駅があり交通の便が良いです。さらに、キャンパスの隣には大学の附属病院があり、ケガや病気をしたとしても心強い環境です。(幸いにも私はまだ一回もお世話になったことはありませんが。)

留学先を選んだ理由

高校の修学旅行で訪れた台湾が、AIU入学前から気になっていました。さらに、AIUで中国語Ⅰ、Ⅱを履修したことから中国語にどっぷりハマってしまい、中国語圏に留学して中国語をマスターしたいと思うようになりました。しかし、コロナ禍ということもあり、中国語の先生に薦められた中国本土やシンガポールの大学がまだ留学生の受け入れを再開しておらず、元々興味のあった台湾の大学へ留学を希望することにし、台湾の大学を含めた留学先候補を10大学程度に絞りました。さらに、留学後の卒論テーマである「教育とエンターテインメントの関係性」というトピックについて勉強できる大学を探していくと、輔仁大学のCommunication Art学部には、映画・映像制作に特化したエンターテインメントについての専門性の高い授業があることが分かり、最終的に輔仁大学を留学先の第一志望にすることにしました。輔仁大学は現地の学生が留学生の様々な手続きを手伝ってくれる「バディプログラム」が充実していたり、無料の中国語授業が開講されたりする良さもあります。現在、週に3回、2時間ずつ中国語の授業を受けていますが、とても楽しいです。

中国語の授業で使用したプレゼンテーション用のスライドの写
中国語の授業の様子です。

台湾での暮らしと学内のアクティビティ

台湾で暮らしていて一番ありがたいのは、なんといってもご飯が安くておいしいということです。寮では自炊が出来ないので自ずとすべて外食になってしまうのですが、学食の価格はお財布に優しく、大学周辺でもおいしいものがたくさん売られています。私が特に好きなのが、「魯肉飯(ルーローハン)」というご飯の上に豚のそぼろが乗った料理と、「地瓜球(ディーグワチョウ)」というさつまいもを揚げたお菓子です。
輔仁大学は留学生向けの活動も活発で、私もこれまで色々な活動に参加させてもらいました。特に楽しかったのがバストリップで、交通の便が不便なところにも貸し切りバス&格安で連れて行ってくれるのでとてもありがたいです。

浜辺の岩の隙間から覗く林さんと友人の写真
バストリップで「野柳地質公園」を訪れました。仲良くなったアメリカ人の友だちとの写真です。

黄色のサングラスをかけた白い猫の写真
台中旅行で出会った可愛い猫。たくさんの人を前に微動だにしていませんでした(笑)

「住めば都」を実感!

街中を歩いていて思うことですが、台湾は意外と公園や自然が多いように感じます。街中に小さい公園があり、しっかり手入れされています。すごくきれいで週末の散歩にはピッタリですし、地元の人の憩いの場にもなっています。他にも台湾に来て印象深かったのは、「あれ、ここは日本かな?」と思わず勘違いしてしまいそうになる場所がたくさんあることです。もはや日本と同じすぎてびっくりすることもしばしばです。コンビニやスーパーには日本語パッケージそのままの商品が置いてあり、日本の化粧品も頻繁に目にします。

色とりどりの花が咲く芝生公園の写真
「士林官邸公園」の写真です。市民の憩いの場になっています。

日本のお菓子が並ぶ商品棚の写真
台湾のコンビニで日本のお菓子コーナーを見つけました。

台湾にある「サイゼリヤ」の写真
日本でおなじみのサイゼリヤはなんと台湾にもありました!

あと、これはネガティブな面ですが、AIUの寮と比べると台湾の寮は基本的に古く衛生面でも劣ります。特に驚いたのはトイレです。寮の共同トイレにはトイレットペーパーがついておらず、トイレを利用する度に自分でトイレットペーパーを持っていかなければなりません。しかし、「住めば都」とよく言うように、住んでいるうちに意外と慣れてきて、ここに住んでからはAIUの寮が天国のように思えます。

留学中に達成したい目標

やはり中国語圏に留学したからには中国語をマスターして帰りたいです。現時点では、料理の注文や、自己紹介、ちょっとした日常会話をすることができる程度ですが、中国語で開講されている授業が問題なく受けられるレベルまで向上させることが目標です。学業以外では、夏休みに一人で台湾一周旅をしてみたいと思っています。一人で何から何まで計画するのは初めてで、すごくワクワクしています。せっかくの留学、しかも1年しかない機会なので台湾を隅から隅まで楽しんで回ろうと思います!

勉強のノートの写真
私の中国語のメモです。中国語の授業中に取ったメモが主ですが、友だちとの会話で出てきた言葉などもメモしています。

自分の価値観や人生観を変えるきっかけとなる留学

私が思うに、留学は自分の価値観や人生観を変える一番のきっかけになると思います。まだ留学して3カ月弱ですが、自分の中での考え方や、物事に挑戦する姿勢に大きな変化を感じています。特に変化を感じるのは行動力です。AIUでの大学生活では「面倒くさい」「大変そう」と思ってバストリップなどの学内イベントにあまり参加せず、秋田を観光することもなかったのですが、台湾に来てからは毎週のように台北観光や、大学主催のバストリップ、友だちを誘って食事に出かけたりしています。言葉が思うように通じない中で観光するので、秋田よりよっぽど不便ですが、その分何が起こっても動じないタフさや柔軟性が身につき、それが行動力を後押ししてくれています。

放牧された牛と壮大な山々の景色の写真
一人旅行で訪れた「陽名山」です。牛が放牧されていて、とてものどかでした。

岩肌から流れ落ちる滝と湖の写真
台北から車で約1時間程の十分(シーフェン)にある滝です!すごく大きくて迫力があります。

また英語圏以外の留学先を選ぶなら、やはりその国の言語を学んで好きになっておくことをお勧めします。聞いていて耳障りだとか、好きじゃない、興味がない言語をずっと聞きながら留学生活を送るのは精神的にも疲れます。幸い私は中国語が大好きになったので、今の環境は天国のようなものですが、それでも時々、日本語が恋しくなることはあります。ぜひ皆さんも留学先を選ぶ際にはその国の言語を一度調べて聞いてみてください。自分が身を置くであろう環境を言語という切り口から吟味することも留学先を選ぶ1つの基準になると思います。

国際センターから一言

今回、初めてマスクなしの林さんの姿を写真の中で確認し、改めて新型コロナウイルスの収束を感じました。出発前から中国語の検定試験のことなどをご相談いただき、留学と中国語への意欲をのぞかせていましたが、その明るい表情から台湾生活の充実ぶりが伝わってきて、ますます今後の留学生活の展開が楽しみになってきました。次のレポートでは、ぜひ台湾一周旅行や卒論に繋がる学びについても教えてください。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。