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私のオススメ授業紹介:中国語Ⅰ(山田 明怜さん)

国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。

また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。

この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。

今回は山田 明怜(やまだ あきさと)さんのオススメ授業をご紹介します。

山田 明怜さんの写真
山田 明怜さん

皆さん、こんにちは。山田 明怜です。私は現在、台湾に留学中です!今回紹介するオススメ授業は「中国語」です!

科目情報

  • CHN100 中国語Ⅰ、CHN101 中国語Ⅰ実践
  • 教員:藍 惠子 先生
  • 単位数:講義が2単位、実践が1単位

中学時代の留学の経験から

既に佐藤さんと井口さんが紹介していますが、AIUでは第二外国語としていくつかの言語を学ぶことができます。その中でも中国語は、同じ漢字圏の日本人にとって学習しやすいため、非常に人気のある言語です。コロナ禍前は毎学期クラスの定員がすぐに埋まってしまうため、他の学生の履修キャンセルによる空き枠を狙って順番待ちができるほどだったと聞きました。

私は中学生の時に中国大陸本土の大連に短期留学した経験があります。渡航前に母から簡単な中国語を習っていたのですが、実際に渡航してみると自分のリスニング能力とスピーキング能力の低さを実感しました。そこから自分の中国語を学びたいという意欲に火が付きました。後ほど詳しく説明しますが、中国語には四声があり、個人で学習を進めていくのは難しいと感じたため、AIUで中国語Ⅰと中国語Ⅰ実践を履修することに決めました。

同じ音節も音の高低で意味が変わる中国語

中国語が難しい理由の一つに、「四声」というものがあります。中国語では、同じ音節でも4つの異なる声調(音の高低)で区別し使い分けますが、これを「四声」といいます。例えば「ma」という音は、4つのアクセントのつけ方で全く別の意味になります。

「mā」は中国語では「妈」となり「お母さん」という意味
「má」は中国語では「麻」となり「麻」というの意味
「mǎ」は中国語では「马」となり「馬」という意味
「mà」は中国語では「骂」となり「罵る」という意味

中国語 Ⅰでは主に四声や基本的な漢字の練習、初歩的な会話に使う文法を主に習得しますが、最初は特にこの四声の使い方をひたすら練習します。普段日本語と英語の発音に慣れた自分にとって、この声調発音の使い分けがとても難しいです。藍先生曰く、関西方言の話者は日常的に四声に近い発音を使うそうで習得が早いそうです。授業では、毎週自分の発音を録音する課題があるので、関西出身の学生たちはプレッシャーだったかもしれません(笑)。

毎回の授業構成は前半が前回授業の振り返り、後半が新しい単語や文法を学ぶことになります。毎週結構なスピードで授業が進んでいくので、予習と復習が欠かせません。
また、授業中は名前を中国語で呼ばれるので慣れるまでは常に集中していないと聞き逃してしまいます。しかし、ただただきつい授業という訳ではありません。授業の合間に先生が台湾文化や中華圏で生活した時のストーリーを挟んでくれるので、毎回の授業がとても短く感じてしまいます。

中国語の教科書の写真
中国語Ⅰの教科書

中国語のオススメポイント

1. 授業も先生の人柄も面白い

藍先生の明るくユーモアにあふれた人柄とアットホームな授業の雰囲気がとても好きでした。いつでも質問していいよというスタンスだったので毎回、「老師、我有問題!」(先生、質問があります!)が飛び交っていました。藍先生の旦那様は台湾人で、家庭内での文化の違いから生まれるエピソードなどを授業の合間に話してくださるのがとても面白かったです。

2. スキルとしての中国語

中国語は主に中国大陸本土や台湾、シンガポールなどで話される世界で一番話者の多い言語です。中華圏の大学に留学する予定がなくても、通販で中国製の商品を買って説明書が中国語しかなかった時に力になります(笑)。特に就職という面で言うと、就活用の履歴書に書けるレベルでHSK(中国政府が認定する試験)や中国語検定(主に日本語を母語とする中国語学習者を対象にした試験)の資格を取得するのは難易度が高く大変ですが、就活でアピールできる武器の一つになることは間違いなしです。さらに、中国語は国連の公用語の1つでもあるため、所属する専門領域に関係なく履修しておいて損はない言語だと思います。

3. 中国・台湾の大学に留学するなら必須

現在は、国立台湾大学に留学し、台北市に住んでいます。最初台湾に来た時は、英語を話せるのでなんとかなるだろうと思っていました。結論から言うと、肌感ではありますが台湾で英語はあまり通じません。もちろん、観光地では英語が通じることもありますが、日々の生活で利用するようなレストランやスーパーでは中国語でのやりとりが基本です。意思疎通に困った時だけ、たまに簡単な英語で話すという感じです。そのため、これから中華圏への留学を考えている人は、留学前にぜひAIUで中国語をしっかり学んでいくことをオススメします。

留学先でも中国語を履修

私は留学先である国立台湾大学でも、中国語を履修しています。台湾で話される中国語はAIUで学ぶ中国語と比べて、使われる単語や文法に違いがあります。ただ、そうした違いに直面するたびに「あ、そういえば藍先生が説明してくれていたな」と思い出しながら順調に学習を進めています。台湾で生活していると、生活の全てに中国語が関わってくるので、中国語Ⅱや中国語ⅢまでAIUで履修しておけば良かったと後悔することもあります。しかし最近は「伸びしろしかないってことだ!」と割り切って「Pleco」という辞書アプリを片手に日々サバイブしています。台湾のみなさん、自分の拙い声調を必死に聞き取ろうとしてくれて「謝謝台灣同學」(台湾の学生のみなさん、ありがとうございます)。

藍 惠子先生からのメッセージ

大家好!みなさんこんにちは!中国語Ⅰを担当している藍 惠子です。
中国語Ⅰでは、発音の基礎から自己紹介や買い物ができるレベルまで中国語を習得することができます。私の授業を通して、「日本と似ているけど違う中華文化」を学び、「中華社会に生きる人々の息づかい」を感じてほしいと思って授業を進めています。ぜひ多くの学生に、山田さんのように中華圏の国や地域に留学し、中華パワーに触れていただきたいです!