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私のオススメ授業紹介:英語教育教材としての民衆文化(本田 千絃さん)

国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。

また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。

この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。

今回は本田 千絃(ほんだ ちづる)さんのオススメ授業をご紹介します。

本田 千絃さんの写真
本田 千絃さん

皆さん、こんにちは。本田 千絃です。今回紹介するオススメ授業の第2弾は「英語教育教材としての民衆文化」です!

科目情報

  • ENG121 英語教育教材としての民衆文化
  • 教員:十川 祐希 特任講師
  • 単位数:3単位

この科目を履修しようと思ったきっかけ

この科目を履修しようと思ったきっかけは、日常生活においてポップカルチャーに親しむ機会は多々あれど、学問的な見方をしたことはないな、と気づいたからです。またEAP(英語集中プログラム)を履修中に、同じ教授からポップカルチャーを絡めたリーディングを学び、その授業がとても楽しかったことからこの科目に興味を持ち、履修を決めました。

どのような授業か

授業は、まず「ポップカルチャーとは何か」と定義することから始まります。ポップカルチャーと言われると、漠然とテレビ、アニメ、漫画、音楽などを思い浮かべますが、それらの要素をひとつひとつ掘り下げて、どのように言語学習に役立てられるかという視点に繋げていきます。そして、課題として出された文献や先生の説明をもとにディスカッションベースで授業が展開されます。加えて、この授業は教職課程の単位としても認められる授業であり、第二言語習得論の内容も含むため、言語を教えること、言語を学ぶことについても学修します。

プレゼンテーションのスライド画像
模擬授業のプレゼンテーションのスライド

オススメポイント

言語を教えることの難しさがわかる

授業内では一人につき2回、模擬授業の機会があります。自分で言語学習に役立ちそうなポップカルチャーの題材を探し、それらをもとに対象学習者・学年のレベルに合ったレッスンプランを作成し、単語や文法について模擬授業のプレゼンテーションを行います。私は昔話を題材として、日本人中学生を対象に想定した英単語学習の模擬授業を行いました。普段は言語を学ぶ立場にいる自分が、教える立場に立つ、ということはとても新鮮であると同時に、英語にそこまでの自信がない私にとって大きな壁でもありました。今まで行ってきたプレゼンテーションの中で内容、方法ともに一番難しく、アイデア作りが大変でしたが、逆に新たな視点に気づく機会となり、とても有意義な経験でした。

自分の強みを知る

この授業のユニークな点が、授業に「VIA-IS」という、自分の性格的強みを知るための診断ツールを取り入れていることです。いくつかの質問に回答することによって自分の強みを知ることができます。毎週のレポートに、自分の強みをどのように使ったかを記録したり、授業内の活動でクラスメイトとお互いの強みを認め合い褒め合うことで、自分の強みを活かすことをより意識するようになりました。自分では思っていなかった強みがあったり、学期中頃にもう一度診断をやり直してみると強みが変わっていたりと、思わぬ自分の一面に気づくことができるという意味でも楽しい活動でした。

自分の言語学習方法を見つめ直す機会

授業内容は難しいながらも、言語学習における新たな視点を得られたのがこの授業を通しての大きな学びでした。新たな言語を学ぶ、習得するということは決して楽ではなく、また長い道のりです。私自身も言語学習を続けるうえで様々な壁にぶつかり、今なお悪戦苦闘しています。人それぞれ、言語学習には様々な目標、アプローチの方法があるかと思いますが、学習手段の選択肢にポップカルチャーを取り入れることの有用性や、言語と文化の接続性に改めて気づくことができました。単に言語学習、言語指導の手法を学ぶだけでなく、言語学習の意義や自分自身の学習方法を見つめ直す良い機会となりました。

こんな人にオススメ!

言語学習に興味がある人はもちろん、実践的に教えることについて学んでみたい人にもオススメです。私は教職課程を履修していないのですが、今までの自分の経験をもとに模擬授業を組み立てていくことは面白かったです。担当教員の十川先生は、実際にアメリカで日本語を教えたり、EAPの授業も担当していらっしゃるので、先生の経験談もたくさん聞くことができます。先生が実際にアメリカで使用されていた教科書をお借りしたり、模擬授業の準備で困ったときには助けてくださったりと、不安があってもサポートしてくださるので安心して授業を受けられます。

十川 祐希先生からのメッセージ

みなさんが第二言語を学ぼうと思ったきっかけは何でしたか。私の英語学習の最初の動機は「ハリー・ポッターを原書で読みたい」でした。字幕なしでドラマ・映画が見たいなど、ポップカルチャーがモチベーションになっている人は多いと思います。『好きこそものの上手なれ』ということわざの通り、言語習得・教育においてモチベーションは大きな鍵です。そして、ポップカルチャーの可能性は無限大です。自分の「好き」「推し」を授業に活かしてみませんか。