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私のオススメ授業紹介:統計学(佐川 美卯さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は佐川 美卯(さがわ みう)さんのオススメ授業をご紹介します。
科目情報
- MAT200 統計学
- 教員:パメラ・テイラー助教
- 単位数:3単位
なぜこの科目を選んだのか
AIUでは卒業要件として数学科目を履修する必要があります。代数学や微積分学などの数学科目群の中から、私はデータを読み解くうえで必要な統計学を履修することにしました。
オススメポイント
努力が成果につながる
この授業では毎回講義の前に指定された教科書の範囲の確認テストがあったり、学期を通して4回のテストがあったりと、コツコツと努力すれば確実に力を身につけることができます。教科書はもちろん英語のため、自分の知らない知識を英語の説明で理解するのは大変でしたが、自分なりにノートを作り、コツコツと努力することを大切にしたおかげで、テストでは高得点を維持することができました。統計学は基本的に明確な答えがあるので、内容をしっかり理解すれば答えを導き出すことができる点も、答えのない問いについて模索することの多い日々の中で、やりがいを感じる一因となりました。
実践的な授業
この授業では実際に自分で調べたい事象についてどのような傾向があるかを調査し、プレゼンテーションを行います。私は「睡眠時間と笑う頻度の関係性」について調査しました。まずは睡眠時間と笑う頻度について、AIU生に5段階で評価してもらいました。(AIUの学生は協力的な人がたくさんいるので、SNSでアンケート調査をお願いするとたくさんの回答が集まります。)そして、それらのデータの平均値や信頼区間を調べ、グラフを作成しました。このように実際に調査を実施して発表する経験は、ただレクチャーを受けるだけの授業より実践的で面白かったです。
こんな人におすすめ!
高校時代、数学Aを学習したことがある人はconditional probability(条件付き確率)やcorrelation coefficient(相関係数)など自分の知識と繋がる感覚を味わうことができます。もちろん数学Aにとどまらずt-test(t検定)など新たなことも学ぶことができます。またこの授業は数学が苦手という人も挑戦できる授業です。先生はスライドが一区切りするごとに質問はないかと確認してくださるので、理解できないことがあったらためらわずに質問することができます。公式を暗記することより、それを実践的に使えるかどうかに重点を置いた授業なので、テストはオープンブック(テストに関する教材や資料を持ち込むことが可能)で公式を暗記する必要はありません。
AILAとの繋がり
この授業では自分が調査を行う際だけでなく、データを読み解く際に必要な知識も学ぶことができます。私自身、広範囲にわたる分野の授業を履修できるAIUに入学したものの、数学関係の科目は自分の興味ある分野(伝統文化の継承)の研究に本当に役立つのだろうかと疑問に思っていました。しかし、この授業を通して、グローバルリーダーとして今後様々な社会問題について考えていく中で、統計学の知識は欠かせないものであると痛感しました。例えば、授業では、調査標本の偏りによる誤った結果や、グラフに起こりがちな誇張表現について学びます。世の中を時には批判的に見つめるために、情報に踊らされず、自分でデータを読み解くことのできる力をこの授業を通して身につけることができました。
パメラ・テイラー先生からのメッセージ
「統計学」と聞くと、多くの人は数字や数学を思い浮かべるでしょう。しかし、統計学の重要な部分は、数値データと調査研究のより大きな文脈を、批判的かつ創造的に考える方法を学ぶことです。例えば、どのような質問が統計的に検証できるかを理解すること、有効な仮説を立て、それを検証する研究を計画する方法を知ること、統計的証拠の限界と長所を特定すること、統計的結果を解釈し、日常的な言葉や簡単な図表を使って他の人に説明することなどです。したがって、この授業では、科学研究を実施して成果をあげるために重要なクリティカル・シンキング・スキルに重点を置くようにしています。
※実際のコメントは英語ですが、ここでは要約した日本語を掲載しています。