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私のオススメ授業紹介:教職概論(山田 明怜さん)

国際教養大学(AIU)には、高等学校教諭一種免許状(英語)を取得するためのプログラム「教職課程」があります。

教職課程では、本学独自のカリキュラムや必修の留学を通して身につけた高い英語力と幅広い知識、国際感覚、そして教育者としての専門性をもった、次代の英語教育をリードする教員を養成します。

この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。

今回は山田 明怜(やまだ あきさと)さんのオススメ授業をご紹介します。

山田 明怜さんの写真
山田 明怜さん

皆さん、こんにちは。山田 明怜です。今回紹介するオススメ授業は「教職概論」です!

科目情報

  • TLP130 教職概論
  • 教員:佐藤 健公 特任教授
  • 単位数:2単位

AIUの教職課程について

詳しいことや体験談は、別途AIUの教職課程のページをご覧いただければ分かると思いますので、ここでは教職課程についてざっくりと説明します。AIUの教職課程は、高等学校教諭一種免許状(英語)を取得するためのプログラムです。この免許状は、中学校と高校の英語教師ではなく、高校の英語教師のみに限定しています。そして今回紹介する教職概論はAIUで教職課程を履修する学生が最初に履修する授業です。

この科目はどんな授業?

授業は全て日本語で行われます。そのため、教職課程の単位としては認定されますが、卒業単位には含まれません。また、授業時間も19:00-20:15と夜に開講されているので他の授業と重複することがありません。

教職概論では主に、教職に関する基礎的な知識や教職をとりまく問題について広く見識を深めます。具体的には、日本の教育に関連する法律やその法律に関する課題について学んだり、実際に教育現場で起こる問題などをケーススタディとして取り扱い、教職に関する理解を深めます。

授業では、佐藤先生の用意してくださったハンドアウトを使います。授業を通して知識をインプットし、適宜グループディスカッションや全体発表を行います。佐藤先生は「絶対的な正解なんてないから、ほれ、いってみれ」(秋田弁で「ほら、言ってごらん」)が口癖です。先生の親しみやすい人柄に加えて、授業にはどんな意見でも受け容れてもらえるあたたかい雰囲気があります。

授業ノートの写真
AIUの授業では数少ない日本語で書かれた授業ノート

オススメポイント

議論の練習になる

この授業を履修をする学生は主にEAP生だと思います。EAPでは英語でのディスカッションをたくさん行うのですが、慣れていないととても大変に感じてしまいます。そこで自分はこの教職概論の授業を活用して、日本語でディスカッションの経験を積むとともに、全体に向かって発言する心理的なハードルを下げる訓練もしていました(笑)。また、大学生活を通じて英語でディスカッションをすることが多いAIU生にとって、日本語のディスカッションの経験を積めるいい機会だと思います。

課題の負担が少ない

現在は、教職課程の他の授業も履修しています。その上で言えることですが、教職課程の授業では課題が出ることが少ないです。また、日本語なので英語の課題に比べて負担が少なく、課題にかかる時間も短いです。ただ、内容を深く考える必要があるものが多いので、思考する時間は長くなりますが、文字に起こすのはすぐ終わるという課題が多い印象です。

EAP生のオアシス

この授業はEAP生でも履修できる数少ない授業の一つです。EAPの期間は英語漬けの生活になるため、自分は日本語を使ったディスカッションの機会に飢えていました。この科目はクラス内のディスカッションもすべて日本語で行われます。授業自体の面白さもさることながら、個人的にはストレスフリーで頭を使った議論ができたので、EAP生の時はこの授業の時間を心待ちにしていました。

自分が教職に向いてるかどうかの試金石

自分がこの科目を履修した時の経験談ですが、この教職概論を履修する目的は十人十色でした。ある学生は自分が教職課程に向いているかどうかの試金石として、またある学生は出身高校の英語の先生が苦手だった経験から「指導法」について学びたかったのが履修動機だったと言っていました。履修していた学生は主に自分の同期だったEAP生が多めでしたが、先輩方も数人混じっていました。

佐藤先生がおっしゃっていたことですが、毎年この教職概論を履修する、もしくは教職課程履修届を提出するEAP生は40人ほどいるそうです。しかし、最終的に教職課程を終えて教員免許状を取得する学生は15人ほどだそうです。自分の同期のことを考えると、現在でも30人ほどが継続して教職課程を履修し続けているので「豊作の年」なのかもしれません。

当然のことなのですが、この授業を履修したからといって教職課程を履修し続けなければいけないわけではありません。でも、一度この授業を履修して、佐藤先生の面白い人柄と教職勢(教職課程を履修している同期の呼び方)のあたたかい雰囲気を感じてもらえたらと思います。

佐藤 健公先生からのメッセージ

教職概論は高等学校教諭第一種免許状(英語)のための必履修科目です。授業では教育基本法等の法令から、授業改善やいじめ等の今日的な課題を取り上げ、ディスカッション等を通して多角的に考える機会としています。自分の考えを日本語で堂々と発表できるという点では、本学において貴重な授業の一つと言えます。平日の夜、多くの同期や先輩と教育について語り合って絆を深めていくというのも、本学ならではの選択肢だと思います。