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私の留学レポート【番外編】:台湾・国立曁南国際大学 〜朴 常源さん~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。

いつもは3回シリーズで学生の留学の今をお伝えしている「私の留学レポート」。今回は社会人経験を経て社会人入試で入学した朴 常源(パク サンウォン)さんの留学にスポットを当て、「私の留学レポート【番外編】」としてご紹介します。

こんにちは!グローバル・ビジネス課程所属の朴 常源です。社会人入試を経て入学し、AIUで留学した私の経験を留学レポートとしてご紹介します!

パク サンウォンさんの写真
朴 常源さん

社会人からAIUを志したきっかけ

福島県いわき市出身で、高校卒業後には首都圏の大手アパレル会社に店舗スタッフとして3年ほど勤めていました。基本の接客はもちろん、新商品の立ち上げ、後輩の育成、他店舗へのヘルプなど挙げればキリがありませんが、外部・内部に対する店舗運営について幅広く学んでいました。また、職場では海外出身の上司と一緒に働く機会も多く、日々の中で英語を使用することが多くありました。

もともとは「いつかは大学へ行き学びたい」と強く思っており、少しずつ自分でも働きながら勉強を進める日々を送っていました。仕事に没頭し、勤務先のブロック・エリアでずっと目標だった部門で1位を取り、それにより店舗推薦で日本で最も売り上げの大きい店舗で働く機会をいただけたことで、当時の自分の中では「やり切った」と心から思えたこと、そして私のことを応援してくれた家族や友人の支えも大きくあり、様々なバックグラウンドを持つ人に対して幅広く門戸を開いているAIUの受験を志しました。

留学先の大学紹介

今、留学しているのは、国立曁南国際大学(National Chi-Nan University)です。台北からバスで3時間ほど移動したところにあり、台湾のちょうど真ん中に位置する大学です。学士号取得プログラムが20、修士号取得プログラムが26、博士号取得プログラムが15ほどあります。毎年平均6,500人前後の学生が入学しており、キャンパスは緑に溢れ、そして非常に広大です。学部ごとの建物も大きいです。キャンパス内ではシャトルバスが常に循環しており、教室移動には全く困りません。また、そのバスで5〜10分ほどの場所にある市街地(Puli, Nantou)にもすぐに出ることができ、そこには飲食店やスーパーもたくさんあります。大学からは台中市や高雄市といった都心にもすぐ出かけられるため、メリハリをつけて息抜きができます。文系・理系の学部学科を有する総合大学で、バラエティ豊かな学生や教授たちと繋がりを作ることができます。

国立曁南国際大学にある講義棟の写真
私が学んでいる場所です
国立曁南国際大学の図書館の外観写真
国立曁南国際大学の図書館です!

台湾を留学先として選んだ理由

私の場合は、GB(グローバル・ビジネス)領域周辺や自分の社会経験を土台に、当時自分が身を置いていた業界だけではなく、より様々な業種のビジネスモデル・マネジメントに関わることを包括的に学問として追求したいと思いながら大学選びを進めました。また、AIU入学当初までは、自分の中で「英語圏に行くこと=留学」というイメージが強くありましたが、英語での授業や留学生との寮生活を経験していくうちに、だんだんとそういったイメージが変化していきました。そんななかで、英語以外の言語にも触れながら過ごせる場所はないだろうかと思い、留学先に国立曁南国際大学を選択しました。台湾は日本よりも比較的物価が低く、特に交通費や飲食に関わる費用は抑えられます。予算をあまり心配せずに、留学先大学での勉強や交友関係を広げることに存分に集中できることなども大きな決め手でした。

九份と書かれた赤い提灯の写真
留学生の友人と一緒に台湾の九份に行きました!

留学中の学びで感じたこと~これまでの答え合わせ~

これまで留学先では「中小企業管理起業家精神(Management of Small and Medium Enterprise)」や、「旅館管理(Hotel Management)」、「組織理論(Organization Theory)」などの自分の専攻であるGlobal Business一色の科目を履修してきました。内部・外部環境に関して授業で扱う事例やそこに紐づく学説・定義は、自分のこれまでの社会経験と交差して具体的なイメージが掴みやすく、「当時これを知っていれば」や「あの時の(上司からのフィードバックの)意味はこういうことだったのか!」など、大学の講義を受けていて衝撃を受けたことが何度もありました。そのため、一度社会に出た後に大学で学ぶと一つひとつの授業や科目を横断してみることができ、そこにある共通した論点に気づけたり、複数の視点で事例を見つめることができるなど吸収の度合いが全く異なると思います。

かつて職場では、台湾や韓国から来たスタッフと店舗運営や新商品の立ち上げを共同で行うことが何度もあり、彼らとプライベートでも積極的に交流することがありました。そのため留学生活当初も、国籍の違う学生同士の交流に、どこか懐かしさを感じたことを覚えています。総じて、学業と生活面の双方で蓄積があったことで、私にとって留学とは「通過点」ではなく「集大成」と思えるようになりました。

夜市を背景に撮影したパクさんの写真
台湾・台中市の夜市にて

留学に行く前にある程度の土台を築くのは必須

日本から来た学生は私を含め大学に10人もいないことから、私に興味を持ってもらえることも多く、一人、また一人と友人が増えていきました(日本人学生と日本語を話しているのを見て声を掛けてくれるなど)。入り口としては話しかけられやすい状況ではありますが、やはり根底となる信頼関係を築くことができなければ、血が通った真のコミュニケーションができないとより痛感するようになりました。挨拶だけの関係ではなく、そこから一歩踏み出して互いの専攻や将来の夢について語れるような関係になるためには、自分も相手のことを知りたいと歩み寄ることが必要でした。

そのため、英語力だけでなく、それを使用した上での基本的なコミュニケーション力を底上げしつつ、基礎科目や専門科目である程度学力の土台を完成させてから留学に向かう必要があると思います。自分の興味のある学問分野についてある程度知っていれば、より深い意見交換が可能となり、それが人間関係の構築にも繋がっていくように感じています。

パクさん、教授、留学生の食事会の様子
「Management of Small and Medium Enterprise (中小企業管理與創業家精神)」の教授と留学生と一緒に食事会をしました

これからAIUを目指す人に伝えたいこと

今でも強烈に記憶に残っているのは、AIUに入学して間もない頃、同期たちがカフェテリアに集い朝まで夢を語り合っていた風景です。一人ひとりが純粋な眼差しで、留学の夢や、AIUで成し遂げたいことなど、未来のことを熱く語っていた姿に本当に驚きました。世界で最も美しい場所、それは大学であると本気で思った瞬間でした。

入学後から一気に始まる全て英語での授業や、乗り越えなければならないTOEFL試験、留学生との共同生活、自然豊かなキャンパスで送る膨大な課題と格闘する日々など、AIUで経験する全てのことには意味があり、留学の予行演習だと思ってぜひ過ごしてほしいと思います。私は途中、自分の英語力に本当に悩むこともありましたが、その都度必死に食らいついてよかったと今なら思えるようになりました。年齢やバックグラウンドにも関係なく、社会経験がある方にもさらなる成長の機会を与えてくれるAIUには、ぜひいろんな方にチャレンジしてほしいと思います。

国際教養大学初代学長 中嶋 嶺雄の著書や写真を集めた展示物の写真
国立曁南国際大学の図書館にはAIU初代学長の「中嶋嶺雄文庫」の展示があり、驚きました!

国際センターから一言

朴さんが高校を卒業したのは2011年3月。福島県いわき市が故郷であると書いてくださった朴さんには、文章中に表現されない様々な困難もあったことでしょう。留学もこの冬には無事に終了し、卒業ももう間近です。妥協点を探りながらも諦めないことの大切さを教えてくださってありがとうございました。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。