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2024年国際教養大学卒業式・専門職大学院修了式を挙行

2024年国際教養大学卒業式・専門職大学院修了式の写真

3月21日(木)、本学Suda Hallにて国際教養大学卒業式・専門職大学院修了式を挙行しました。卒業生187名と修了生28名が新たな一歩を踏み出しました。

神部 秀行 秋田県副知事をはじめ、多くの来賓の方々、卒業生・修了生のご家族にご参列いただきました。学位記授与後、モンテ・カセム学長が本学を巣立つ卒業生・修了生に向けて式辞を述べました。

カセム学長による式辞の写真
カセム学長による式辞

カセム学長は卒業生に対し、「AIUの学際的な理念は、グローバルな課題がどこにあるかを俯瞰する視点を与えてくれます。グローバル・スタディズ、グローバル・ビジネス、グローバル・コネクティビティの各プログラムにまたがるカリキュラムは、あなたを学問のサイロに追いやることなく、これらの課題に取り組み、新たな価値を創造するために必要な知識を与えてくれます。本学の居住型キャンパスは、カリキュラムと課外活動の両方において、仲間同士のサポートと自主学習を育んできました。私は、皆さんがそれぞれのプロフェッショナルな道を歩む上で、AIUの学修環境のこうした側面が活かされると確信しています。」と述べ、パンデミックなどの影響を受けつつ、それでも本学での厳しいプログラムを乗り越えてきたこと、AIUで培われた様々なつながりを大事にしてほしいこと、未来を担い、社会へ大きく羽ばたいていくことなどについて温かいメッセージを送りました。

続いて、来賓の神部 秀行 秋田県副知事と鈴木 健太 秋田県議会副議長からご祝辞をいただきました。

神部 秀行 秋田県副知事による祝辞の写真
神部副知事による祝辞

神部 秀行 秋田県副知事は、昨今の世界情勢や国内の災害対応と社会問題を踏まえ、卒業生・修了生に向けて「困難な課題を複合的に抱える現在は、『危機』に直面している時代とも言えます。『危機』はピンチであるとともに、上手に乗り越えれば時代の転換点となります。現状の対処法で解決できない時には新たな対処法を編み出さなければなりません。」と述べられ、「ここ秋田の地から、未来に向かって力強く羽ばたいていかれる皆さんに対し、そのスタートラインに立ったことへのおめでとうと、心からの激励を申し上げ、お祝いの言葉といたします。本日は誠におめでとうございます。」とエールを送りました。

鈴木 秋田県議会副議長による祝辞の写真
鈴木秋田県議会副議長による祝辞

また、鈴木 健太 秋田県議会副議長は「近い将来、グローバルリーダーとして活躍される皆様にとって、困難に立ち向かい、仲間とともに解決策を模索して活路を見いだしてこられた経験は、今後の大きな財産になるものと確信しております。日本の地域性に富んだ、ここ秋田で暮らし、学んでこられた皆様は、大きなアドバンテージを得たものと思います。これからも、秋田と世界をつなぐ存在であり続けてください。」と激励しました。

続いて、卒業生を代表して根岸 優花さんが、修了生を代表して池上 凜太郎さんが挨拶をしました。以下、抜粋してご紹介します。

卒業生代表の根岸 優花さん

根岸 優花さん(国際教養学部グローバル・スタディズ課程)

「私たちが思い描いていた大学生活は、新型コロナウイルスの蔓延によりまったく想像もしなかった形でスタートをきることになりました。AIUの特色のひとつとも言える1年間の義務寮生活は諦めざるを得ず、授業もサークル活動もすべてオンラインで行われることとなりました。それでも、心身の健康を気遣う教授のお言葉や、先輩方による期を超えたオンライン交流イベントの開催、また、同期とのSNSを通じた連絡や交流に励まされ、辛かった時期を乗り越えることができました。」

「部分的に学生のキャンパス受け入れが再開された2021年の冬を皮切りに、心待ちにしていた渡航留学も再開され、私は韓国に1年間留学をし、国際関係学と国際安全保障を学びました。世界各国からの留学生や現地学生との議論を通して新たな考え方に触れ、視野が大きく広がりました。」

「与えられた環境のなかでできることを探して、あるいは自分で新たな環境をつかみ取って、今日まで歩みを進めてきました。学生生活で多くの壁にぶつかって、苦しみながらも、そのたびに乗り越えてきた私たちは、この先どのような困難に直面してもきっと乗り越えられます。どうにもならないと思うようなときも、ここにいる仲間たちや私たちの学生生活を支えてくださったすべての方々が、きっと助けてくれるでしょう。激動の世界のなかで、これからも支えあって生きていける絆があると信じています。」

池上 凜太郎さん (専門職大学院英語教育実践領域

「私の大学院生活はとても楽しいものでした。とりわけ、入学後2学期目に行った初の言語学研究が思い出されます。そのプロジェクトでは、録音された会話を書き起こし、分析する作業がありました。データは膨大で、書き起こすのには途方もない時間がかかりました。ついにある日、夢の中でも会話を書き起こすようになり、この経験から言語学者としてのアイデンティティを自覚するようになりました。そして自分の学生生活に誇りを持つようになりました。」

「家族はいつも私を信じてくれ、自分はひたすら頑張るだけでした。そしてキャンパスでは、友人、ルームメイト、先生方、ティーチングアシスタントの先生方など、多くの素敵でユニークな人々に恵まれてきました。」

「今日、私たちはAIUを修了し、これから社会へ旅立ちます。学校という構造や枠組みから解き放たれ、それを自由と呼ぶ人もいるかもしれません。しかし、同時に私たちは自分自身で道を切り拓かなければなりません。」「最後に、皆さんとこの瞬間を分かち合えることを、心から誇りに思いつつ、改めて、家族、友人、先生など、私を支え、励ましてくれたすべての人々に感謝の気持ちを申し上げます。ありがとうございました。」

式の最後には、渡辺 玲子 特任教授(ヴァイオリン)と坂野 伊都子さん(ピアノ)による祝賀曲演奏が行われ、卒業式は厳かに幕を閉じました。

※実際の式辞やスピーチは英語で行われていますが、ここでは要約して日本語訳を掲載しています。