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【特別講演会】第3回「ポストコロナの世界における日本の役割」(北岡伸一・国際協力機構理事長)
国際教養大学では、学生・教職員を対象として、「ポスト新型コロナウイルスを見据え、今、考えるべきこと、そしてこれからの社会のあり方」を共通テーマとして、各界を代表する国内外の有識者によるオンライン講演会をシリーズで開催しております。本講演会を通して、新型コロナウイルスが人類にもたらしている影響を多面的に理解し、今後のグローバル社会のあり方を考えてまいります。
第3回は、11月10日(火)、独立行政法人 国際協力機構(JICA)理事長の北岡 伸一氏をお迎えし、「ポストコロナの世界における日本の役割」というテーマでご講演いただきました。
北岡理事長は、東京大学大学院法学政治学研究科において博士号を取得後、立教大学教授、東京大学教授、日本政府国連代表部次席代表(国連大使)、国際大学学長等を歴任され、2015年より現職に就任されました。日本政治や外交に係る卓越したご見識により、多くの政府諮問会議や有識者懇談会で座長や委員を務め、2011年には紫綬褒章を受章されています。
講演会では、「日本の国益とは、国際紛争が平和的に解決され、自由貿易が行われる体制を維持することである」という考えに基づき、日本と近隣諸国との関係やJICAの取組等についてお話いただきました。
まず、JICAは二国間援助を行う政府機関の中でも世界最大の機関であり、その活動は「援助」ではなく相手国との対等な関係のもとに協議を重ねながら行われる「国際協力」であることに言及されたうえで、「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもとでJICAが途上国と共に推進する代表的な協力についてご説明いただきました。
続けて、特に、新型コロナウイルスのように国境を越えて移動する脅威から人々を守るためには、日本だけではなく世界の安全を確保していくことが重要であり、より多くの国において、医療人材の育成も含む医療機関を中心とする総合的な保健医療システム構築に対する協力を実施していく必要があること、また、現下の状況を踏まえ、日本が世界を導いていく必要があることを熱く語っていただきました。
質疑応答では、インド太平洋地域における国々との連携方法や、他の国際機関とJICAの協力関係等について、学生や教員からの質問にお答えいただきました。
講演を通じ、世界全体の課題に対して真摯に向き合いながらも、国としての確固たる信念に基づいてODAが実施されていること、コロナ禍で先の見えない今だからこそ、信頼関係に基づく協力が重要であることを認識できました。
過去の特別講演会の記事は、こちらからご覧いただけます。
第1回「コミュニケーションの進化と未来社会」(山極 壽一氏)
第2回「COVID-19パンデミック下における米中の戦略的競合」(イアン・イーストン氏)