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【特別講演会】2021年度第1回「持続可能な開発の実現に向けて」(キース・アルバーソン氏)

国際教養大学では、学生・教職員を対象として、「ポスト新型コロナウイルスを見据え、今、考えるべきこと、そしてこれからの社会のあり方」を共通テーマとして、各界を代表する国内外の有識者によるオンライン講演会をシリーズで開催しています。本講演会を通して、新型コロナウイルスが人類にもたらしている影響を多面的に理解し、今後のグローバル社会のあり方を考えることが目的です。

シリーズ2年目となる2021年度の第1回として、7月16日(金)、国連環境計画(United Nations Environment Programme、UNEP)国際環境技術センターの元所長、キース・アルバーソン氏をお迎えし、「Achieving Sustainable Development」(参考訳:持続可能な開発の実現に向けて)というテーマでご講演いただきました。

アルバーソン氏が解説している様子

SDGs「13.気候変動に具体的な対策を」に関するターゲットと指標について解説するアルバーソン氏

アルバーソン氏は、海洋、気候、環境分野の専門家として、2020年まで国連に勤務し、ケニア・ナイロビにあるUNEP本部の気候部門のディレクターや、大阪にあるUNEP国際環境技術センター所長等を歴任しました。現在は、世界気象機関のコンサルタントとして、全球気候観測システムの実施計画に携わっています。

講演会では、17のSDGs(持続可能な開発目標)(外部サイト)のうち、4つの目標に焦点を当て、参加者へ疑問を投げかけながら、それぞれのターゲットと指標の関連性についてお話くださいました。

まず、「1.貧困をなくそう」では、指標が現金収入を基準としたものであるものの、必ずしも幸福度と一致しないこと、また、新型コロナウイルスの影響により貧困層は増えると予想されていることなどを説明されました。

続いて、「11.住み続けられるまちづくりを」、「12.つくる責任つかう責任」については、廃棄物発電を例に挙げ、先進国と発展途上国の間で、コスト等の要因により対応に差が出ていることを解説いただきました。

さらに、「13.気候変動に具体的な対策を」について、環境に順応する取組は地域に依存する一方、気候変動を緩和するためには国、企業、都市、個人レベルでの取組が必要であると述べ、結びとして、SDGsの意義は、達成することそのものよりも、現状を把握し、目標に向けて改善していくことにあること、各目標は互いに連関していることなどを強調されました。

学生とアルバーソン氏による質疑応答の様子

質疑応答の様子

質疑応答では、持続可能な社会を目指して個人ができる取組や、全世界が一丸となり目標を達成するためには脱成長が1つの手段となるのかどうかなど、多くの質問が提示され、学生の関心の高さがうかがえました。

本学の新カリキュラムにおいてサステナビリティ分野はクラスター(学びの切り口)の1つとして位置づけられており、今後も継続的に学びが深められることを期待しています。

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