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私の留学レポート:アメリカ・オレゴン州立大学 〜神野 夏妃さん(1)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200ある海外提携大学の中から選択します。この「私の留学レポート」は、今まさに留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自分の言葉でレポートしてもらう企画です。

今回は、アメリカに留学中の神野 夏妃(じんの なつき)さんのレポート第1弾をご紹介します。

  • これまでの「私の留学レポート」シリーズはこちらからご覧ください。

こんにちは。グローバル・スタディズ課程に所属している神野 夏妃です。岐阜県出身で2020年春入学です。2022年1月からアメリカのオレゴン州立大学(OSU)に留学中です。海外経験は今までに一度もなく、今回が初めてです。

サンタモニカピアのゲート前に立つ神野さんの写真
神野さん、旅行先のサンタモニカピアにて

初めての留学生活の舞台に選んだのは、アメリカ・オレゴン州

初めての海外ということで、英語の能力を伸ばしたいと感じ、英語圏にある大学がいいなと考えていました。そして英語圏の国々の中で、AIUの提携大学数が一番多かったアメリカに決めました。オレゴン州立大学(OSU)への留学の決め手は二つあります。一つは興味のある分野である農学や食糧について豊富な授業を提供していること、もう一つは比較的治安がよく、また普段旅行などであまり訪れないような場所であることです。調べていくうちに、オレゴン州は太平洋岸北西部に位置する美しい自然に囲まれた場所だと知り、最終的に農学分野で有名なOSUを選びました。

スミスロック州立公園の写真
オレゴン州ベンドのスミスロック州立公園

留学先での幅広い学びの中から見えてくるもの

OSUでの専攻は農学(Agricultural Science)ですが、ほかの学部の授業も受講することができるため、興味のある授業や留学でしか学べない授業を主に選択しています。すでに春学期を終え、10科目を履修しました。農学に関するいくつかの授業(Food JusticeやAgricultural Marketing) に加えて、教育においての多文化主義(Multiculturalism in Education)、栄養学(Human Nutrition)、観光学(Tourism)、ジェンダー研究(Gender Studies)など、幅広く学んでいます。一見バラバラの分野で何のつながりもないように思えても、学んでいると他の授業で学んだことが応用できたり、「ここが関係しているのか」などと発見できることが多くあり、それぞれの授業でのモチベーションアップになりました。春学期に受講したアメリカ原住民の音楽に関する「Native American Flute」の授業では、世界的に活躍するネイティブアメリカンフルート奏者の方の講義を受け、学期末には約500人の学生たちとキャンパスで演奏する、という思い出に残る体験ができました。

屋外の広場で開催されたお祭りの写真
ネイティブアメリカンのお祭り

一つのクラスに集まる多様性

留学初期の頃、日本出身だと自己紹介すると、「日本のどこ出身なの?」とか、「アニメを観る?」といった具体的な質問をされることに驚きました。寮のルームメイトの一人が日本文化が大好きだったので、週末によく一緒にアニメを観てアメリカと日本の文化や価値観の違いを学んだり、日本食を作ったりしながら交流を深められました。そしてクラスメイトの中には日本の文化、言語、食などに興味を持ってくれる人が多いので、それらについてしっかりと伝えられるようになりたいと思いました。
また、OSUでの授業は規模や形式も様々で、一つのクラスに多様な価値観を持った人たちが集まっていることがとても印象的です。「Food Justice」の授業では、学生同士でどうしたら飢餓を減らすことができるのかを議論し、最終的には大学の理事会に向けた意見書を書いて送ったり、お金を集めるためにオークションで出品したりと、授業で実践的な行動につながっていくことがとても刺激的で面白いと感じました。

キャンパス内を移動するフードデリバリーロボットの写真
キャンパス内でたくさん見かけるフードデリバリーロボット

ここでしかできない新しい経験を得るために、自分の殻を破って挑戦したい

元々あまりアクティブではない私ですが、アメリカの大学の夏休みは3カ月以上あるため、地元のフードバンクでボランティアをしたり、大学の芸術施設に通って友だちからステンドグラス作りを教わったりと、自分から積極的に動くことを大切にしています。そして他の州や海外への旅行を通して、自分の目と心で、広い世界を見て感じたいです。1年という留学期間のうち、残りがもう5カ月ほどとなりました。ここでしかできない新しい経験を得るために、自分の殻を破って挑戦したいと思っています。語学力の向上はもちろん、他の国からの全く違うバックグラウンドを持った人たちとの交流、多様性に触れることで、自分の視野を広げていきたいです。
新型コロナウイルスなど、世界の状況が不安定な中、このように留学し勉強ができていることに心から感謝し、残りの5カ月を有意義なものにできるよう頑張ります。

ゴールデンゲートブリッジを背に撮った友人との記念写真
霧に覆われたゴールデンゲートブリッジ(写真右が神野さん)
国際センターから一言

オレゴン州の広大な大自然の中で、英語コミュニケーション能力を高めながら、様々な分野の勉強にも取り組んでいる様子から、充実した毎日を送っていることが伺えます。留学先では、新しい自分の一面にも気づく機会になっているかと思います。残りの留学生活も、目標達成に向けてチャレンジしてください。

国際教養大学ではコロナ禍で2年間、対面での交換留学が実施できませんでしたが、日本の入国制限緩和に合わせて今年5月以降、留学生の受け入れを再開しています。

英語版ウェブサイトでは、そんな留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。オンライン留学の期間も含めて、定期的に更新していますので、ぜひこちらもご覧ください。

Student Voice